高齢者向け安否確認支援サービス『でんぱでみてるくん』
シンクレイヤ株式会社とAI6株式会社が手掛ける新しい安否確認サービス『でんぱでみてるくん』が、2025年12月1日から提供が開始されます。このサービスは、高齢者の一人暮らしを支援し、孤独死対策を強化するために設計されています。特に、増加する高齢者の単身世帯において、その必要性は高まっています。
背景:孤独死の増加と課題
令和6年には、全国で年間76,000人の単身者が自宅で亡くなっており、その約80%が65歳以上の高齢者です。この傾向は将来的にますます深刻化すると見られ、2050年には単独世帯が全世帯の45.1%を占めるとの予測もあります。特に高齢者が増える中、孤独死への対策は急務です。
でんぱでみてるくんの特徴
この新しい安否確認サービス『でんぱでみてるくん』は、Wi-Fiの電波の微細な変化を利用して居住者の動きを感知します。基本的には専用端末をコンセントに挿すだけで使用可能で、カメラやウェアラブルデバイスは不必要です。
自動アラート発報
居住者が一定期間動きがない場合、システムは自動的にアラートを発信します。これにより、管理者は異変に迅速に気付くことができ、早期の対応が可能となります。
一元管理が可能
『でんぱでみてるくん』は、複数の居住者を一元管理できる三層構造を採用しています。「居住エリア」「建物」「部屋」に分けられた情報は、ダッシュボード上で簡単に確認できます。
設置工事不要
導入は非常に簡単で、専用端末をコンセントに挿すだけでOK。追加の工事は不要で、他の電気機器の利用も妨げません。これにより、忙しい時期でもスムーズに対応できるようになっています。
プライバシーへの配慮
このシステムはカメラを用いないため、居住者のプライバシーを守りつつ監視が行われます。これは、高齢者にとっても大きな安心材料となるでしょう。
具体的な活用シーン
不動産管理会社や自治体にとって、『でんぱでみてるくん』は非常に有用なツールとなります。特に高齢者の単身入居に際して、通常はリスク回避のために入居を断ることもありますが、このシステムを導入することで管理体制が強化され、住民の安全を確保しつつ、受け入れを促進できます。
また、自治体の民生委員による訪問活動は重要ですが、忙しさから全世帯を訪問できる力がなくなりつつあります。このサービスの導入により、安否確認業務のミスを減らし、限られたリソースを効率的に使用することが可能になります。
導入費用について
『でんぱでみてるくん』の導入には、初期費用と月額のアカウント利用料が発生しますが、導入規模に応じた柔軟な料金体系が用意されています。具体的な費用については、お問い合わせが必要です。
まとめ
シンクレイヤ株式会社の社長、山口正裕氏は、「このサービスは多くの一人暮らしの方々にとって重要な意味を持ちます」と述べています。『でんぱでみてるくん』は、増加する高齢者の孤独や孤立といった社会問題に対する取り組みとして、テクノロジーの力で新しい地域社会の実現を目指しています。私たちの目指す安心できる社会への第一歩となることでしょう。