ESGとP/Lを両立させるAIエージェント「Metarealボードシンク」登場

ESGとP/Lを両立させる新たなAIエージェント「Metarealボードシンク」

2023年7月17日、メタリアル・グループの株式会社ロゼッタが革新的なAIエージェント「Metarealボードシンク」（以下、Metareal BS）を提供開始しました。この新システムは、取締役会での意思決定においてESG（環境・社会・ガバナンス）重視とP/L（損益）重視という二つの視点をうまくバランスさせることを目指しています。

開発の背景

近年、多様化するKPI（重要業績評価指標）の中で、ESGとP/Lの対立が顕著になっています。この二つの価値観がぶつかることで、取締役会における議決が滞り、重要な投資決定が遅れるケースが増えているのです。従来の投票システムは定性的な指標にとどまっており、複雑な利害関係の調整には限界がありました。このため、自然言語処理（NLP）とベイズ推定を活用した科学的な意見分析が求められたのです。

Metareal BSの特徴

Metareal BSは、以下の4つの主な特徴を持っています：
1. 取締役ごとの優先KPIをベイズ推定で可視化：各取締役の発言や議事録を解析し、どのKPIに対する重視度を数値化します。
2. KPIシナリオの得票確率を自動算出：NLPで議論内容をスコア化し、4つのKPIシナリオに対する支持率をリアルタイムで推計します。
3. 最小不満足案のサジェスト：対立する意見を数学的に解析し、取締役の不満を最小限に抑える合意案を提案します。
4. 進捗をダッシュボードで visual 化：意思決定の現状と課題を一目で把握でき、迅速な投資判断を支援します。

このサービスは、ESG重視の上場企業のCEOや取締役会の事務局、IR（投資家関係）や経営企画部門の管理職など、さまざまな関係者によって利用されます。特に、ESG推進責任者が持続可能な経営戦略を策定するために活用されることが想定されています。

業界特化型AIコンサルティングの進展

メタリアル・グループは、今回のMetareal BSの導入に続き、金融業界などさまざまな業種に特化した生成AIシリーズの展開を加速させます。この新たなシリーズは各業界の特有の課題を迅速に解決することを目指しており、現場での実践を重視しています。

同社のAIコンサルティングは、単に技術を提供するのではなく、「現場で実際に使われるAI」を最速で実現することを使命にしており、この技術を通じて顧客のニーズに応じたシステム開発が期待されています。特に、大手メディア業界など、AI導入が難しいとされる分野でも、高いスピードでの実運用を実現してきた実績があります。

まとめ

「Metarealボードシンク」は、取締役会における合意形成を加速させる新たなツールとして注目されています。多元的なKPIをもとにした科学的な分析によって、経営層がスムーズな意思決定を行えるサポートをし、企業の持続可能な成長を促進します。今後、AI技術がどのように企業の経営に寄与していくか、ますます期待が高まります。