日本企業が抱える海外ITエンジニアへの受け入れ体制の実態
近年、日本国内のIT業界は深刻な人材不足に直面しています。その中で、海外からのITエンジニアの受け入れが現実的な解決策として注目されていますが、果たしてその受け入れ体制は整っているのでしょうか?
総合人材サービス会社、ヒューマンリソシア株式会社が行ったアンケート調査によれば、約9割の企業が日本語教育や受け入れマニュアルの作成など、海外人材のサポートが必要であると認識しています。しかし、実際にそれを実施している企業はわずか3割程度に留まっています。このギャップは、企業が抱える課題の根源です。
調査の背景と目的
調査は、日本国内で採用に関わるビジネスパーソン500名を対象に実施されました。この調査の目的は、IT人材不足を解消するための海外IT人材の活用実態を把握し、企業が今後どのように対応するべきかについての洞察を得ることです。
企業の受入れ体制に関する調査結果
アンケートの結果、海外ITエンジニアの採用において特に必要とされる支援策として、「日本語教育」が挙げられました。必要性を認識している企業が87.5%に対し、実施を行っているのは30%です。また、受け入れマニュアルや生活支援についても同様の傾向が見られました。約9割が「必要」と考えている一方で、実際の支援に取り組んでいる企業は少数派という結果になっています。
最も取り組みが進んでいるのは、メンター制度の導入で、40%の企業が実施していると回答しました。メンター制度があることで、現場の上司や同僚からのサポートが受けられる環境が整い、海外エンジニアが働きやすくなると考えられます。
現場の努力に依存する状況
調査から明らかになったのは、実際に海外ITエンジニアを受け入れる企業において、十分なサポート体制が整っておらず、現場の個々の努力に依存している現状です。このような状況において、日本語の壁や文化の違いが、海外人材が日本で活躍するための大きなハードルとなっていることが伺えます。これでは、海外出身のITエンジニアが持つスキルや経験を十分に活用することができません。
海外人材を活かすための急務
IT業界の未来を考えると、今後も海外ITエンジニアの活用は重要となります。ヒューマンリソシアでは「GIT(Global IT Talent)サービス」を通じて、企業のIT人材確保に貢献すべく、語学教育や企業文化の研修、生活支援体制の整備に取り組んでいます。実際、今後の事業成長に向けては企業側も積極的に支援策を整えることが求められています。
企業の体制がより整うことで、海外人材が日本のIT業界で存分にその能力を発揮できるようになり、結果的に企業の競争力向上にもつながるのです。
結論
調査結果に示されるように、海外ITエンジニアの受け入れに向けての企業の取り組みは、現状では不足があります。支援体制の整備が急務であり、これからは企業全体で意識を持って取り組む必要があります。成功の鍵は、海外人材が安心して働ける環境を築くことです。我々はそのためのサポートを続けていく所存です。