栗田工業がEvove社に出資、リチウム抽出技術の独占使用権を取得

栗田工業がEvove社と連携、リチウム抽出の未来を拓く



栗田工業株式会社(クリタ)は、2023年10月7日、英国のEvove Ltd.(Evove社)への出資を完了し、同社のDLE(直接リチウム抽出)技術に関する独占使用権を取得しました。この協業は、今後の脱炭素化市場において、リチウム供給の安定確保に向けた重要な一歩です。

背景と目的


世界的に脱炭素化が進む中、EVやHV(ハイブリッドカー)の需要は急激に増加しています。これに伴い、リチウムイオン電池に対するリチウムの需要が高まる一方で、供給の不安定さが懸念されています。そこで、従来の採掘方法を超える新たなリチウム抽出手法が求められています。Evove社のDLE技術は、そのようなニーズに応えるべく開発された技術です。

DLE技術とは?


DLE技術は、地下の帯水層に存在する塩水からリチウムを効率的に抽出するもので、水の使用量やCO2排出量が少ない点が特徴です。そのため、環境への負荷を軽減しつつ、リチウム供給を増やす可能性を秘めています。クリタは、70年以上にわたる水処理技術を活かし、DLE技術による新規事業の可能性を探求してきました。

共同事業の展望


2024年からは、クリタとEvove社が共同でDLE技術の評価を行い、電子産業向けの高純度リチウム抽出プロセスの確立へと進む予定です。さらに、2025年1月からは、Evove社による実際の原水を使用したパイロットプラントによる実証が進められ、商業化の具体的な道筋が見えてきました。このプロジェクトは、リチウムの回収率や純度の向上に寄与し、経済的な成功が期待されています。

今後の展開


クリタは、Evove社との協力を通じて、DLE技術の最適化やプラントのスケールアップを図り、2027年度を目標にDLEプラントの拡販製作体制を整えることを目指しています。さらに、電子産業で培ったエンジニアリング力を利用し、設計から製造までのプロセスの短縮や省スペース化を図る予定です。

結論


クリタとEvove社の戦略的な協業は、持続可能なリチウム供給を確保するだけでなく、環境負荷を減少させる新たなソリューションの提供につながります。持続可能で新しい価値を提供することがクリタの目標であり、今後の動向から目が離せません。

詳細な情報や最新ニュースについては、クリタの公式サイトやEvove社のページを参照してください。

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