NEXCO中日本が導入したAI防災サービス『Spectee Pro』の実績
防災テクノロジーを駆使したスタートアップ、株式会社Specteeが提供するAIリアルタイム防災・危機管理サービス『Spectee Pro』が、中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本)に正式に導入された。この取り組みは、交通情報の迅速な把握と通報手段の拡充を目的としており、導入効果が早くも表れている。
導入の背景と目的
NEXCO中日本東京支社の道路管制センターでは、通常の業務として事故や渋滞の情報を収集し、お客様に正確な情報を迅速に伝えるために、パトロールカーや緊急電話からの通報を主な情報源としていた。しかし、それだけでは対応が追いつかない場面が多く、他の情報収集手段が必要だと感じていた。そんな矢先、『Spectee Pro』との出会いがあった。
トライアル中に一般道から撮影された車両火災の画像により、迅速に現場状況を把握できたことが契機となり、NEXCO中日本は『Spectee Pro』の導入を決定。これによって、高速道路の情報把握がより効率的に行えるようになった。
実際の活用シーン
初めの目的は事故や渋滞情報の把握であったが、今では自然災害発生時にも『Spectee Pro』の機能が活用されている。特に、東名・新東名高速道路の管轄内において、必要なローカル情報を効率良く取得のため、検索機能を用いて必要な情報だけを抽出。これにより、リアルタイムで事故や渋滞、さらには冠水といった情報を監視し、迅速な対応ができるようになった。たとえば、道路崩落の危険がある場合には『Spectee Pro』を使って現場状況を確認し、適切な通行止めの判断ができる。
導入による効果
特に注目すべきは、2024年6月の豪雨による冠水状況を早期に把握できた点だ。当時、新東名浜松SAでの冠水が確認されたが、監視カメラでは状況を認識できなかった。しかし、『Spectee Pro』によって提供された画像により、迅速に現場の状況を確認し、対応に繋げることができた。また、高速道路トンネル内での火災事故においても、視界が悪くなる中、リアルタイムで状況を把握でき、迅速な対策が可能となった。
『Spectee Pro』の特長
『Spectee Pro』は、SNS、気象情報、自動車のプローブデータを解析して、全国1万台以上の道路・河川カメラから情報を集約。そして、迅速に災害や危機を可視化し、予測することが可能なシステムである。特に、独自開発されたAI技術を駆使し、実用的なマップ機能が搭載されているため、必要な情報をタイムリーに得られる。
このように、全国の多くの自治体や企業に導入されており、災害対応やリスク管理において非常に重要な役割を果たしている。株式会社Specteeは、今後も安心・安全な社会を実現するための技術革新を続けていくことを目指している。