東京盲ろう者友の会が提案する新たな教育プログラム
2025年5月、東京都新宿区に本部を構える認定NPO法人「東京盲ろう者友の会」が、大学や専門学校向けに新しいプログラムを提供開始します。このプログラムは、視覚と聴覚の両方に障害を持つ盲ろう者への理解を深めることを目的としており、参加費用は全て同会が負担します。これは教育機関におけるCSR活動の一環として、学生のダイバーシティ意識の醸成を図る取り組みです。
盲ろう者についての現状
盲ろう者とは、視覚と聴覚の両方に障害を抱えた方々を指します。彼らは情報を得ることやコミュニケーション、移動することに関して多くの困難を経験し、その結果として社会的孤立を感じることが少なくありません。そのため、若い世代への啓発と理解の促進が急務とされています。このプログラムでは、講義や体験、映画上映を通じて、盲ろう者の現状を知り、共感を育むことを目指しています。
プログラムの特徴
プログラムは柔軟性があり、受講希望の内容に応じた組み合わせで提供されます。具体的な内容は以下のようになります:
1. 映画上映(90~120分)
- - 『桜色の風が咲く』:この映画は、盲ろう者として初めて大学教授になった福島智さんの実話を描いています。彼は9歳で失明し、18歳で聴力を失いましたが、それでも大学に進学する姿が心を打ちます。
- - 『もうろうをいきる』:盲ろう者の日常に密着したドキュメンタリーで、彼らがどのようにコミュニケーションを取り、社会と繋がっているのかを静かに描いています。
2. 当事者による講演(30〜90分)
盲ろう者自身から、自らの育成歴やその経緯、心理的な変遷、日常生活での困難や必要な支援について直接お話いただきます。彼らの言葉は、学ぶ側にとって非常に大きな影響を与えるでしょう。
3. 盲ろうについての解説(30〜90分)
盲ろう者の障害の実態、生活、コミュニケーション手法、支援方法、福祉制度などについて知識を深めていきます。
4. 盲ろう疑似体験(60〜120分)/コミュニケーション体験(30〜120分)
視覚や聴覚を遮断して行動する体験や、指点字や触手話といった盲ろう者独自のコミュニケーション方法を学び、実際に手を使って体験することができます。
実施期間と対象
プログラムは、2025年5月1日から2026年2月28日まで実施され、対象は東京都近郊の大学や専門学校としています。場所は各学校のキャンパス内となり、講師やスタッフが派遣される形で行われるため、非常に参加しやすい環境が整っています。例えば、授業や公開講座、学内祭などのイベントに合わせて実施が可能です。
お申し込み方法
参加を希望する機関は、以下の情報を認定NPO法人「東京盲ろう者友の会」に提供して申し込みを行います。
- - 機関名
- - 担当者名・連絡先
- - 実施希望時期・場所
- - 実施形式(例:授業・20名、公開講座・100名など)
- - 希望プログラム(例:映画上映+講演 150分など)
お問い合わせ先
興味のある教育機関の方は、以下の方法でお問い合わせください。
- - TEL:03-6228-1282
- - Email:tokyo-db@tokyo-db.or.jp
- - Webフォーム:お問い合わせフォーム
このプログラムは参加者にとって大変貴重な学びの場となることでしょう。多様性を尊重し、理解を深める大切な機会として、多くの方々にご利用いただきたいと思います。