初開催の節水栽培米グランプリが注目の新たな農業ビジョンを提示

日本初の「節水栽培米グランプリ」を開催

2025年12月9日、東京都豊洲PITにて、株式会社NEWGREENが主催する日本初の「節水栽培米グランプリ」が開催され、岩手県平泉町の「下長根農場」佐々木正樹氏が、大賞を受賞しました。このグランプリは、節水型乾田直播栽培を用いた米づくりを行う30名の生産者を対象に、食味、生産性、環境性の3つのポイントで評価されるもので、その意義は非常に大きいものとなっています。

グランプリの意義

グランプリは従来の食味コンクールとは異なり、単に味だけでなく、環境や農業経営の持続性にも焦点を当てています。この新たなアプローチにより、環境に配慮した農業の未来像が示唆され、今後の農業の在り方に新たな一石を投じることが期待されています。佐々木氏が栽培した「ひとめぼれ」は、節水栽培にもかかわらず、大粒でツヤのある美味しい米として評価され、高い生産性を示しました。

受賞者一覧

以下は、昨年のグランプリでの受賞者の一覧です。

- 大賞（グランプリ）

佐々木正樹／下長根農場（岩手県）
品種：ひとめぼれ

- 優秀賞

勝亦健太／かつまたファーム株式会社（静岡県）
宮澤和芳／株式会社宮澤ファーム（長野県）
石橋一寛／百姓五代目又太郎（新潟県）
品種はそれぞれ、にじのきらめき、コシヒカリ。

- 入賞者

今野寿洋／株式会社今野商店（山形県）
藤田友和／有限会社そら野ファーム（新潟県）
プロデュースにあたる品種はつきあかり、にじのきらめきです。

審査の詳細

今回の審査は、食味、生産性、環境性に基づいて行われ、審査員には高名な食味鑑定士や農業専門家が名を連ねています。食味の評価には、官能評価と分析値を基にした評価が含まれ、栽培方法によっては、CO2排出量の削減や作業効率の向上といった持続可能な農業の実現が可能であることを確認しました。

節水型乾田直播栽培の未来

乾田直播栽培は、気候変動や水資源の不足という課題に対する有効な解決策として注目されています。この手法は、用水の大幅な節約が可能であり、農業労働の負担を軽減しながら環境への負荷を大きく減少させることができます。今後、この技術の普及に向けた議論が国政レベルで進むとともに、収量の安定性や雑草の管理といった新たな課題も浮上しています。

未来への期待

NEWGREENの中條大希代表は、「節水型乾田直播栽培は、自然と共生し、持続可能な未来を探るための新たな選択肢」と述べており、農業者の「おいしいお米を作りたい」という情熱は変わらないと強調しています。グランプリの開催は、そうした思いを具現化し、持続可能で美味しい日本のお米生産の未来を照らす光となることを願ってやみません。

今回の受賞をきっかけに、全国の生産者たちが節水栽培に取り組む姿勢をさらに高め、互いの技術や品種を共有しながら、未来のための新たな農業を創造していくことに期待が寄せられています。