日本とアフリカが目指す食料安全保障の未来
2025年8月19日と20日に横浜で開催された第9回アフリカ開発会議(TICAD 9)の公式サイドイベントが多くの関係者を集め、盛況を博しました。このイベントでは、日本とアフリカ双方の首脳や研究者が集まり、「食料安全保障」と「ブルーエコノミー」という二つの重要テーマについての現状や未来について活発な議論を行いました。
イベントの概要と主な登壇者
20日に行われた公式サイドイベント「アフリカにおける持続可能・包摂的・対応力ある食料システムと地域経済の未来:ブルーエコノミーと農業の視点から」では、ケニア、ナミビア、カーボベルデの首脳をはじめ、日本の代表、大使館関係者と国際機関のメンバーが参加し、食料安全保障の強化に向けた意見を交わしました。特に、日本の技術協力や人材育成の重要性が強調されました。
冒頭には日本の石破茂首相が登壇し、「日本の現場主義と技術を活かして、アフリカの食料システムを強化する」と語り、国際的な連携の重要性を訴えました。石破首相は、食料安全保障が人々の生活の安定に直結する重要課題であることを強調し、日本がその解決に向けてどのように取り組むかを示しました。
課題と展望
角南理事長は、アフリカが直面する課題として人口の増加、気候変動、地政学的緊張を挙げ、食料システムの強靭化が最優先事項であると述べました。さらに、笹川陽平名誉会長は、これまでの活動実績を紹介し、アフリカの食料安全保障のためには人材の育成が不可欠であり、挫けずに未来を共同で築く意義を伝えました。
各国の参加者からは、「農業とブルーエコノミーは戦略的優先課題」や「スマート農業で成長を促す」などの発言が相次ぎ、日本との連携を訴える声が多く上がりました。このような意見交換は、未来の成長戦略を探る上で非常に意義深いものでした。
特別イベント:地域社会との連携
19日に行われた特別イベント「インパクト・ファイナンスの活用と地域社会のエンパワーメントによる食料安全保障の向上」でも、多くの意見が交わされました。ここでは、官民投資や国際金融の視点から持続可能な成長を実現する取り組みについて具体的な提案が示されました。特に、地域コミュニティのエンパワーメントや資金調達手法に関する話題は多くの関心を集めました。
まとめ
日本とアフリカの協力がもたらすポテンシャルは非常に大きく、今後は具体的な取り組みを通じて、食料安全保障やブルーエコノミーの変革が求められています。国際的な協力のもと、共に未来を築くための歩みが期待される中で、持続可能な成長に向けた具体的なアクションが求められているといえるでしょう。