半導体パッケージングと実装技術の最前線
2025年9月10日、シーエムシー・リサーチから新たに発刊された『半導体パッケージングと実装技術のすべて ~ 基礎から最先端まで学ぶ半導体後工程とチップレット技術 ~』。著者は、長年にわたり半導体業界での経験を持つ蛭牟田要介氏です。本書では、現代の半導体製造における重要な技術であるパッケージングやその応用について深く掘り下げ、次世代技術であるチップレット技術にも言及しています。
書籍の概要
本書はA4判・112頁、定価70,000円(税込77,000円)。セット価格として書籍に加えCDが付いたものが120,000円(税込132,000円)で販売されます。ISBNは978-4-910581-68-2です。内容は、半導体パッケージの進化の歴史を追い、2.5Dおよび3Dパッケージ技術の最新の動向について具体的な事例を挙げて解説しています。
本書の特徴
著者が半導体産業で培ってきた実務経験に基づく知見は、本書の大きな魅力の一つです。パッケージングの技術的な詳細に加え、不具合の事例やそれに対する評価・解析手法を紹介し、理論だけでは得られない実践的知識を提供しています。特に、チップクラックやワイヤー断線といった具体的な問題に対するアプローチは、業界の技術者にも有用な情報となることでしょう。
さらに、環境問題に対する配慮も重要なテーマとして扱われています。RoHS(有害物質の制限指令)やPFAS(パーフルオロアルキル物質)への取り組みも詳細に記述され、サステナビリティに関連する側面からも半導体パッケージングの未来像を考察する内容となっています。
なぜ今半導体パッケージングが重要か
実は、半導体は我々の生活において不可欠な存在となっています。スマートフォンやAI、IoT機器、自動車など、多岐にわたる用途で使われており、経済の安全保障に欠かせない要素となりつつあります。そんな中で、特に注目を集めているのが「チップレット技術」です。この技術は、複数のチップを統合することで、デバイスの性能向上を図る新たなアプローチと言えます。
チップレット技術とは
チップレット技術は、従来の大規模な単一チップに代わって、より柔軟性のある設計が可能になることを目指しています。これにより、異種の半導体材料を組み合わせることができ、様々なデバイスに適応することが可能です。また、製造コストの削減やリスク管理の観点からも、特に重要な技術として業界に注目されています。
まとめ
本書は単に半導体パッケージング技術を学ぶための参考書にとどまらず、今後の半導体業界の発展における羅針盤とも言えるものです。半導体製造に初めて携わる学生から、業界でのキャリアを積んでいる技術者や研究者にとっても、新しい知見を得るための貴重な一冊となるでしょう。
興味のある方は、ぜひ手に取ってみてください。半導体パッケージングの未来を知る一助となること間違いなしです。