火山の謎を解く
2026-04-27 14:23:01

火山の爆発メカニズムを解明する新たな研究成果とその意義

火山の爆発メカニズムを解明する新たな研究成果



近年の研究によって、火山の爆発的活動がどのようなメカニズムで繰り返されるのかの理解が進んでいます。特に、日本の霧島山新燃岳における2018年の噴火事例を元にしたこの研究では、「ブルカノ式噴火」と呼ばれる日本の一般的な噴火様式について深い考察が行われました。日本の火山の多くは、このブルカノ式と言われる噴火のスタイルを採用しており、短期間での爆発が繰り返される特徴があります。

今回の研究は、国立研究開発法人産業技術総合研究所の松本恵子主任研究員と九州大学の下司信夫教授の共同作業によって進められました。彼らは、霧島山新燃岳の火口地区において行った地質調査の結果、ブルカノ式噴火の繰り返し爆発の原因となる新しいモデルを構築しました。このモデルでは、噴火中に形成される溶岩の“蓋”が、火山ガスを閉じ込め、これが破壊された後に再び形成されるメカニズムが探究されています。

研究の背景



霧島山新燃岳では、2011年および2018年の噴火後、これまでにあまり明確にされていなかった爆発のメカニズムについての解明が急務とされていました。火山灰が遠方に飛散するため、火口から安全な場所においてその化学組成や大きさを調べることで、火山の活動を理解するための手掛かりが得られますが、実際の爆発メカニズムについては限られた情報しかありませんでした。

ブルカノ式噴火の特徴



ブルカノ式噴火は、火道の頂部に形成された硬い溶岩が、火山ガスの圧力に耐えきれず破壊される様子が特徴的です。ガスが蓄積され、圧力が増大するにつれ、この“蓋”が連続的に破壊と再形成を繰り返し、爆発が発生する仕組みとなっています。しかし、短期間での“蓋”の修復がどのようになされるのかは謎でした。

新しいモデルの提案



今回の研究により、岩塊や火口内壁の調査から得たデータを基に、「深部では塑性変形が起こり、火山ガスの流出が抑制される一方、浅部では柔軟性がありガス浸透性が高い」といった新たなモデルが提案されました。このモデルでは、爆発の際に深部の「蓋」が破壊され、亀裂が形成されることで、火山ガスが蓄積し、それが再び爆発を引き起こすという流れが示されています。

さらに、火口近傍の赤色化した岩石の成因も解明され、この現象がガスの流出に関与していることが明らかになりました。具体的には火口周辺の岩石がどのように構成され、どのような条件で変化するのかが観察され、これにより噴火の予測に繋がることが期待されています。

今後の展開



研究結果を基に、今回の新しい噴火メカニズムが他の火山にも適用可能であるかを検証していく予定です。また、2011年および2025年の噴火時に得られた火山灰の調査を進めることにより、提案したモデルの普遍性を確立し、今後の火山活動の理解を深めていく方針です。こうした取り組みが、将来的には火山活動の予測や、地域住民の安全確保に寄与することが期待されます。

研究成果は、2026年4月10日に専門誌「Geology」に掲載される予定です。この研究が火山学の分野に貢献し、火山活動の理解をさらに進展させることを願っています。


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