標準電波JJYの歴史とその影響
2025年11月、米国のIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)から、標準電波JJYがマイルストーンとして認定されることが決定されました。この認定は、日本の電気・電子分野に対する大きな貢献を評価したもので、標準電波JJYが持つ80年以上の歴史が光を浴びる瞬間と言えます。
標準電波JJYの誕生と背景
1940年、日本における標準電波の発信が始まりました。当時、無線通信技術が急速に発展する中で、各無線局の発する電波の周波数がずれ、混信が多発していました。この解決策として、正確な周波数で信号を発信する「標準電波」を必要とし、逓信省電気試験所が千葉県に標準電波局を設立しました。
当初は周波数4 MHzで運用され、世界で2番目に設立されたこの局は、1948年からは時報を発信し始めました。戦後の日本では、この標準電波が放送や電力、交通などのインフラシステムの基盤となり、国の復興や技術革新、さらには近代化を支える重要な役割を果たしました。
標準電波の進化
標準電波JJYは、その後も進化を続けました。1960年代には電波時計の登場により、日常生活においてもその重要性が増していきました。しかし、周波数精度の向上が求められる中、短波標準電波の運用は2001年に停止され、新たに長波に基づく標準電波の普及が促進されていきました。
1999年には、福島県におおたかどや山標準電波送信所が開設され、2001年には佐賀県と福岡県の県境に新しい送信所が設立されました。この長波標準電波は、より高精度で時刻コードを提供しており、電波時計が広く普及する基盤となっています。
IEEEマイルストーンとは
IEEEマイルストーンは、電気・電子技術分野における画期的な業績を認定する制度で、25年以上が経過した成果が対象となります。標準電波JJYの認定は、全世界で297件の歴史的な成果の中で58件が日本の業績であるということからも、その意義が伺えます。
認定はIEEE理事会によって決定され、今後、標準電波JJYの業績を称える銘板がその関連場所に配布されます。これは、標準電波が持つ価値の高さを象徴する出来事であり、日本の技術力を世界に示すものとなるでしょう。
未来に向けての展望
今後もNICTは、標準電波JJYの安定的な運用を続けていく予定です。日本標準時および高精度の標準周波数を全国民に提供し続けることにより、引き続き社会や産業の発展に貢献していきます。
この歴史的業績に感謝し、これまで支えてきたすべての人々に改めて敬意を表しつつ、未来に向かってのさらなる発展を期待するばかりです。