令和時代の高校生活：若者の理想と現実のギャップについて

高校生活に関する調査結果の考察

株式会社プレマシードが2025年1月に実施した「高校生活の満足度や高校生時代の経験に関する調査」では、コロナ禍以降の教育環境とそれに伴う高校生の意識の変化について注目しました。この調査には、10代の高校生とその親世代である40〜50代の方々が参加し、それぞれが高校生活についてどう感じているのかを探るものです。

調査の背景

コロナ禍の影響で、オンライン学習が普及したことにより、多くの中高生が自宅での学習を経験しました。その結果として、学校に対する意識や人間関係の感覚が変わったとわかります。不登校の児童が34万6千人を超え、通信制高校の入学者数も増加している現状は、学校が「必ず通わなければならない場所」ではなくなったことを示しています。このような背景の中で、本調査は高校生が「高校生活とは何か」に対しどう考えているのかを浮き彫りにしようとしています。

調査結果のポイント

高校生活の満足度

調査から、高校生活全体の満足度は76.5%という結果が出ました。特に「友人関係」の満足度が71.8%で最も高く、次いで「授業」や「修学旅行」と続きます。一方で、アルバイトや学習塾、予備校に対する満足度は低めであることが課題として指摘されています。実際、10代の男女に満足度の違いがあり、女性はほとんど全項目で高い満足度を示す一方で、特有の悩みを持つ男性は成績や部活動において好成績を収めていることが判断されます。

高校とはどんな場所か

多くの高校生が高校を「勉強する場所」として捉えていることが明らかとなりました。また、「青春を楽しむ」や「将来を考える」との回答もあり、それぞれの価値観が表れています。高校時代にやっておけばよかったことについては、「勉強」が最も多く、続いて「好きなことに取り組む」となりました。これは、社会に出る際の自己成長や目標の重要性を示唆しています。

通信制高校への認識

通信制高校については、「自分のペースに合わせた通学」が51.8%という高い認知度を示しましたが、その一方で「好きなことを学ぶ」という選択肢は40.7%に留まっています。このことからも、通信制高校が持つ可能性についての理解が不十分であることが示されています。最近では多様性や幅広い学びの機会を提供する通信制高校が増えており、これらの取り組みがもっと注目されるべきです。

高校生が抱えるプレッシャー

調査における勉強に関する悩みでは「やる気がでない」という回答が最多を占め、続いて「成績が上がらない」や「集中力が続かない」との声が挙がりました。特に10代の女性は、これらの悩みについての回答率が高く、大学進学に向けたプレッシャーも影響していると思われます。このような問題は、学校・家庭問わず、今後の教育方針を考えるうえでの大きな課題となるでしょう。

終わりに

今回の調査を通じて見えてきたのは、若者の「学校」への期待と実情の間に複雑なギャップがあることです。友人関係や学びの場としての面を大切にする一方で、アルバイトや学校外の活動への不満も浮き彫りになりました。これらの情報は今後の教育や学校のあり方に対する重要な指針となるでしょう。通信制高校や新たな学びのスタイルの提案が若者たちの未来の選択肢となることで、新しい高校生活を切り拓いていくことが期待されます。