2030年の自治体業務の未来を描くAIアイデアソンを振り返る
2025年1月9日、愛媛県宇和島市役所で「2030年の自治体業務フローを創る官民連携AIアイデアソン」が開催されました。このイベントは、デジタル庁主催、宇和島市、日本オラクル株式会社、株式会社RKKCSの協力により実現され、自治体の業務を支えるための新しい技術の活用法が模索されました。
イベントの意義
自治体業務が直面する課題として、人口減少や担い手不足が深刻な問題となっています。そのような中、生成AIの積極的な活用が今後の行政サービスの維持や向上に寄与することが期待されています。このAIアイデアソンでは、多様な層—国、県、市区町村、クラウドサービスプロバイダー、アプリケーションサービスプロバイダー—が集まり、持続可能な未来のビジョンを共に描く場となりました。
当日のプログラムについて
当日は多彩なワークショップが開催され、参加者が意見を交わし、アイデアを深める充実した内容となりました。
オープニング
イベントの始まりには、平デジタル大臣が視察に訪れ、「行政サービスを向上させるために生成AIの活用は不可欠となるでしょう」との見解を示しました。これは、参加者にとって大きな刺激となり、今後の議論へとつながります。
ワークショップ「EBPMに資する生成AIの活用」
このワークショップでは、証拠に基づく政策立案(EBPM)において、生成AIがどう活用できるかの議論が交わされました。たとえば、住民向けのアンケートや通知文、ダッシュボードの生成にAIを活用する具体例を挙げ、業務に携わる職員たちが実際の経験をもとに生のアイデアを提案しました。このディスカッションは、AIの業務フローへの適用を具体化する重要なステップとなりました。
ワークショップ「窓口業務における生成AIの活用」
次のワークショップでは、窓口業務の負担軽減のために生成AIをどう活用できるかが話し合われました。今後の「行かない窓口」の実現に向け、すべての手続きをAIで完結させる仕組みの可能性が模索され、対面での対応を望む住民とのコミュニケーションについても検討されるなど、リアルな課題に真摯に向き合った議論が展開されました。
振り返り・総評
イベントの締めくくりとして、平デジタル大臣は「生成AIの活用は近い未来に実現可能であり、今回は様々な関係者が集まり議論したことで課題が明らかになりました」との感想を述べ、参加者への期待を表明しました。
企業の役割と今後の展望
今回のアイデアソンには、RKKCSの代表も参加し、技術本部の専門家が官民連携の重要性を強調しました。企業が民間の知見を活かし、持続可能で効率的な自治体業務に貢献することの重要性が強調され、今後の社会インフラ構築に向けた意識の高まりが見られました。
このアイデアソンを経て、生成AIの活用が自治体業務に寄与する未来への道筋が一段と明確化され、さらなる議論が深まることが期待されます。そして、この様な未来を作り出すためには、産官学のさらなる連携が必要不可欠です。
終わりに
2025年に向け、AIアイデアソンでの議論が実際の政策や業務フローにどう反映されるのか、今後の展開に注目です。地域に根ざした技術の活用で、より良い行政サービスが実現されることを期待しております。