デジタルハリウッド大学が開設した「現実科学研究所」
2026年7月、東京・御茶ノ水のデジタルハリウッド大学に新たな拠点「現実科学研究所」が設立されました。本研究所は、学長の藤井直敬が提唱する「現実科学」を基に、個人の脳で構築される現実を科学化し、豊かさを生み出すことを目指しています。産官学が連携するこの場では、研究者やクリエイター、企業、行政が集まり、知の循環を実現するための実験が行われます。
開設の背景
現在、AIやXR技術の急速な進化と社会の分断が進んでいる中で、かつての「万人共通の正しさ」では対処できない現実が浮き彫りになっています。現実科学研究所では「現実は人によって異なる」という観点から、固定化した前提や境界を再構築する技術である「現実編集」を広め、誰もが学び、実践できるようにすることを目指しています。そのために、新しいミッション「世界を満たせ:Fill the World」を掲げ、エンタテインメントの精神を継承しつつ、人間と社会の可能性を広げていきます。
研究所の主な機能とプロジェクト
この研究所の特徴は、以下の四つの機能で「知の循環」を促進することです。
1.
研究:ジャンルを越えた学際的な研究の推進
2.
実装:産官学共同プロジェクトの社会実装
3.
教育:多様な教育プログラムの展開
4.
発信:出版や国際カンファレンスを通じた情報発信
立ち上げ時から、「能動的セキュリティ学」「デジタルヘルス学会のリブート」「雨ニモマケズ高等学校との高大連携」「シンギュラボとの連携」という四つの旗艦プロジェクトが進められています。これらのプロジェクトにおいて、現実編集の実践に取り組み、知識が社会でどのように循環するかを実験していきます。
特に注目されるのは、10代へのレジリエンス教育を行う「雨ニモマケズ高等学校」の設立プロジェクトで、2027年4月の開校を目指して進行中です。これは、次世代育成を見据えた取り組みであり、社会における現実をより良く理解するための教育の必要性を反映しています。
未来を見つめて
現実科学研究所は、今後10年間で「未来をつくる知のインフラ」となることを志向しています。これにより、研究が進むと同時に、それが新たなビジネスや社会の発展に寄与することが期待されています。さまざまな分野の専門家が集まるこの場で、多様な視点を持った知識が交差し、新しい未来を切り拓く鍵となるでしょう。
参加とお問い合わせ
研究所では、共同研究やプロジェクトへの参加を希望する企業、研究機関、行政、クリエイターを広く募集しています。興味のある方は、公式サイトを訪れ、必要な情報をご確認のうえ、お問い合わせください。
参考情報
デジタルハリウッド大学は、2005年に文部科学省に認可された大学で、デジタルコミュニケーション学部とデジタルコンテンツ研究科を併設しています。多様性を意識した教育環境の中、人材の育成と社会への貢献を目指します。