日立市と日立製作所の取り組み
日立市は、株式会社日立製作所と共同で進める「デジタル健康・医療・介護推進」のプロジェクトを通じ、次世代未来都市(スマートシティ)の実現を目指しています。このプロジェクトは、「住めば健康になるまち」というビジョンの下、約7万人の健康データを集約・分析し、AIを活用した健康管理アプリ「SaluDi」の実証実験を行うものです。
背景
最近、日本では高齢化が進む中で、医療・介護費の増大が大きな社会問題となっています。特に生活習慣病や慢性疾患の増加に対応するための持続可能な保健・医療施策が求められています。しかし、日立市など多くの自治体は、住民の健康データが限られており、全体の健康状態を把握するのが困難です。これを踏まえ、日立市は市民の健康意識を高めつつ、データを基にした施策を推進することが急務となっています。
実証内容
本プロジェクトでは、実証1として健康データの集約と分析を行いました。日立市民が加入する各保険者からのデータを収集し、40~79歳の人口の約75%にあたる約7万人分の健康情報を網羅しました。この大規模なデータ分析を通じ、高血圧の発症傾向など市全体の健康状態を把握することができます。
実証2では、市民305人を対象に健康アプリ「SaluDi」を使用してもらい、AIによる疾病発症予測とPHR(個人健康記録)管理機能を活用しました。この取り組みにより、一部の参加者では健康リテラシーの向上が確認され、健康アプリが健康行動に良い影響を与える可能性も示されました。
今後の展望
日立市はこの成果をもとに、今後の施策を立案し、高血圧予備群への支援や健康アプリの機能拡充に繋げていく計画です。特に、市民の健康データを利用した政策立案は次世代未来都市実現の要として位置付けられています。また、2026年度にはアプリに新たなAIアドバイス機能を追加し、個々の健康状態に応じたサポートを強化する方針です。
日立製作所や日立システムズは、これらの成果を基に、他地域への展開も視野に入れています。これにより、日立市全体の健康寿命の延長と医療費の適正化に向けた取り組みが一層強化されていくでしょう。
結論
日立市と日立製作所の新たな健康施策は、データを活用した持続可能な健康管理の先駆けとなることが期待されます。市民の健康意識を高め、地域全体で健康寿命を延ばすための取り組みは、今後も重要な意味を持っていくと考えられます。地域の健康維持に寄与するこれらの施策が、全国的なモデルとなることを願ってやみません。