自動運転技術を進化させる新たなパートナーシップの誕生
2025年1月8日、ドイツ・カールスルーエにて、PTV Groupとダイナミックマッププラットフォーム株式会社(DMP)が、ワシントンD.C.で開催されたTransportation Research Board (TRB) 年次総会で戦略的パートナーシップを正式に締結しました。DMPのCEO、吉村修一氏とPTV AmericaのManaging Director Mobility、Steve Perone氏の両者が覚書に調印し、この合意により、自動運転技術や交通工学分野でのシミュレーションの未来が切り開かれることとなります。
目指すシミュレーション技術の革新
DMPは高精度な3Dマッピングソリューションを提供するグローバルリーダーとして知られています。その先進的な地図データは、自動運転車両の開発やインフラ計画において、さまざまな産業に貢献しています。一方、PTV Groupは交通計画やシミュレーションソフトウェアを専門とする企業で、40年以上の歴史があります。両者のパートナーシップは、特に自動車分野と交通工学においてシミュレーション技術の活用をさらに推進することを目的としています。
今回の連携によって、DMPの高精度3次元地図データ(HDマップ)とPTV Vissimを統合することで、これまで以上に効率的で効果的なシミュレーションモデルの構築が可能になります。具体的には、「PTV Model2Go for PTV Vissim」の導入により、より広範囲な地域をカバーする自動化されたシミュレーションネットワークが実現します。これにより、交通工学のプロジェクトや自動車業界でのバーチャル・テストドライブが迅速かつ容易に行えるようになります。
利点と展望
DMPの吉村修一氏は、「PTVは、シミュレーションソフトウェアを提供するグローバル企業です。当社のHDマップを通じて、官民一体となった道路ネットワークの構築が実現できる」とコメント。今後、自動車業界や交通分野における大きなイノベーションが芽生えることに期待を寄せています。
また、PTV AmericaのSteve Perone氏も「リアルなシミュレーションには正確なデータが不可欠です。DMPの高精度3D地図データは、数日以内に利用可能なモデルを提供でき、業界の可能性を広げる」と述べ、両者の連携による多岐にわたる展望を語っています。
DMPとPTV Groupのプロフィール
ダイナミックマッププラットフォーム株式会社は、日本政府の支援を受けて、自動車メーカー10社を含む国内企業と共に設立されました。グローバルに約300名のスタッフを抱え、アメリカやドイツ、韓国、中東に展開しながら、現実世界の高精度な3Dデータを提供しています。これはさまざまな産業分野に革新をもたらすものです。
一方、PTV Groupは2,500以上の都市で交通計画、シミュレーション、リアルタイム管理を提供し、最近ではEconoliteと統合してUmovityブランドとしても知られています。スマートで持続可能な交通の未来を築くために、様々な技術を展開しています。
このパートナーシップにより、自動運転や交通工学におけるシミュレーション技術の新たな地平に期待が集まるとともに、これらの技術が実際の社会にどのように生かされていくのか、注目が高まります。