災害支援に新たな希望を寄贈されたトラック
2023年5月16日、東京都江東区に本社を置く株式会社パルラインが、1.5トンのトラック5台を公益社団法人ピースボート災害支援センター(PBV)に寄贈する贈呈式を開催しました。パルラインは、生活協同組合パルシステムの物流を担う企業であり、地域に根付いた活動を展開しています。このトラックの寄贈により、災害時の支援活動や地域社会への貢献が一層実現します。
トラックの活用目的
贈呈されたトラックは、これまでパルシステムの配送業務に利用されていたもので、今後は災害救援活動の一環として活用されます。PBVでは、大規模災害発生時に被災地域への支援物資の輸送や、必要に応じてキッチンカーとして運用する計画がされています。このため、トラックは逐次PBVに引き渡され、食材を保存するフードパントリーの車両に改装されて支援活動を強化します。
実際の支援の場面
例えば、昨年の能登半島地震では、PBVが炊き出しを行い、被災者に必要な食事を提供しました。また、他地域ではトラックの荷台を利用した食品庫が設置され、保管型の食材提供を行うなど、その役割は多岐にわたります。特に、交通事情などで救援が難しいエリアでも、トラックを通じて生活支援が行われています。
地域社会への貢献
贈呈されたトラックは、被災地での支援が行われていない時間帯には、地方自治体と連携して生活困窮者への食品提供を行うフードパントリーの拠点としても利用されます。特に人口の少ない地域では、支援の手が届きにくい現状があり、PBVは今後さらに多くのトラックを配置して支援の体制を強化する予定です。トラックは、普通免許で運転できるため、ボランティアにも扱いやすく、普及の利便性が高いとされています。
トラックバックの思い
贈呈式では、PBVの上島安裕理事が「生協の配達トラックは非常に重要で、多くの方々を助ける可能性がある。私たちの活動にとって大きな鼓舞になる」と語りました。また、パルラインの太田賜嗣夫社長も「これまでの利用者の生活を支えてきたトラックが再び地域に貢献できることを嬉しく思う。定期的に車両を入れ替え、今後も支援活動に繋げていきたい」とコメントしました。
2025年に向けて
さらに、2025年には国際協同組合年が予定されており、地域における協同・共助の重要性が高まっていく中で、パルラインの今回の取り組みが持つ意味は、社会全体への影響力を広げています。トラックの寄贈は単なる物の提供にとどまらず、今後の災害時支援の根幹を成す重要な一歩となるでしょう。私たち一人一人がこうした取り組みに対して理解を深め、応援することで、地域全体の支援力が向上していくことを期待します。