新刊「アンペアの足りない世界」第3弾発表
不登校の子どもたちが直面している問題が、ますます深刻化しています。2024年度の調査によると、日本では353,970人の不登校児童生徒がいることが明らかになり、その数は12年連続で増加の一途を辿っています。しかし、この現実に対する支援が十分に行き届いていないという現実もまた存在します。これは一体なぜなのでしょうか。
公認心理師である鰐渕遊太氏は、こうした問題に対する洞察を提供する新刊「アンペアの足りない世界 ―ボタンの掛け違いを科学する―」を2026年6月に発表します。この本は、子どもたちに対する支援を適切に行うためのヒントや視点を提供するものです。
支援が届かない理由とは?
鰐渕氏は、この問題を4つの構造的ズレとして捉えています。第1のズレは、子どもたちのニーズと運営する側の論理との食い違いです。子どもたちのニーズに対応しようとすると、親との関係が崩れる恐れがあり、一方で親のニーズに寄り添ってしまうと子どもが居なくなってしまうというジレンマが存在します。このような複雑な関係性を考慮した支援の設計が必要です。
第2のズレは、愛情からの「せめてこれくらいは」という言葉が、逆に家庭を不安定な場所にしてしまうという現実です。多くの不登校の保護者は、子どもを支えるために離職や休職を余儀なくされています。家庭が最後の安全地帯であるべき場所が、実は追い詰める要因にもなり得るのです。
経済的な格差も無視できません。フリースクールの費用が多くの家庭にとって負担となり、その結果、支援を受けられない子どもたちが増加しています。著者は、「居場所にたどり着けるかどうかは、家庭の経済状況によって大きく影響される」と指摘しています。
最後のズレは、集団でなければ社会性は育たないとの思い込みです。著者は、集団が大切なのではなく、安心感を持てる人間関係が断然重要であると述べています。子どもが安心できる環境を整えることで、より豊かな社会性を育むことができるのです。
価値観の変化が求められる
鰐渕氏は、これらのズレの根本には「子どもを変えようとすること」があると指摘しています。「子どもを変えるのではなく、大人が見方を変えることで子どもたちは変わる」という考えに、ぜひ耳を傾けてほしいと思います。
結論
新刊「アンペアの足りない世界」は、子どもたちの不登校という現象を多角的に捉え、それに対して私たちがどう向き合うべきかを考察する重要な著作です。この本を通じて、現在の支援体制の課題を再考し、多くの子どもたちが本当に必要とする支援が行き届く未来を模索していきたいものです。ぜひご注目ください。