日本金属が切削工程省略の「ファイン・プロファイル®」を開発中
日本金属株式会社(東京都港区)は、新しい異形圧延技術「ファイン・プロファイル®」の開発を始めました。この技術は多様なニーズに応じた線材を素材とし、環境意識の高まりに応える「エコプロダクト」として位置づけられています。カーボンニュートラルの実現を目指す同社は、2026年度の製品化を目標に技術革新に挑戦しています。
「ファイン・プロファイル®」の特徴
この新技術は、主に帯鋼を使用する従来の方法から、線材を素材とした新たなアプローチへと進化します。これにより、成形できる鋼種の選択肢が広がり非磁性材や耐熱鋼種にも対応可能となり、顧客の様々な要求に応えることができます。また、成形可能な寸法範囲も拡大し、素材の切断時に発生するロスを抑制することにより、歩留りの向上を実現します。
環境配慮と効率性の両立
「ファイン・プロファイル®」は、製造工程の簡略化に貢献します。特に、中間焼鈍工程を省略することで、角線や平角線といった製品の成形がより効率的に行えます。また、順送プレスに最適なコイル形態での供給が可能になるため、顧客のニーズに応じた柔軟な対応が可能です。
開発背景と今後の展望
今回の取り組みは、日本金属の第11次経営計画「NIPPON KINZOKU 2030」に基づいています。この計画では「Multi & Hybrid Material」と「Near Net Shape」に基づく製品開発が推進されています。多種多様な素材を活用し、複雑な成型加工を実現することが目指されており、顧客のニーズに合った特殊素材や成形サイズの多様化を支持しています。
具体的な仕様
開発中の「ファイン・プロファイル®」には以下のような特性があります:
- - サイズ:板厚5~15mm、幅5~15mm(素材径φ16mm以下)
- - 製品形態:コイル巻きまたは直棒(最大5,000mm)
これにより、様々な業界での幅広い用途に適応できる製品となることが期待されています。
まとめ
日本金属株式会社の「ファイン・プロファイル®」は、環境に優しい素材開発を進めつつ、顧客のニーズに合わせた製品展開を図っています。今後も、新しい技術と素材の開発を進化させることで、持続可能な未来への一歩を着実に踏み出していくことでしょう。