HRテック活用状況が浮き彫りに
最近発表された「人的資本経営調査2026」の結果が、日本企業の人事部門における技術活用の現状と未来を示しています。この調査は、日本経済新聞社の人財・教育事業ユニットが実施したもので、560名の人事担当者が参加しました。
調査の概要
今回の調査では、企業がどのようにHRテック(人事・HRとテクノロジーを掛け合わせた言葉)を活用しているのか、特に採用、育成、選抜、配置、評価の各分野について詳しく尋ねています。結果として、採用分野におけるHRテックの活用は57%に達し、最も進んでいることが分かりました。次いで育成が46%、評価、選抜、配置がそれに続く結果となっています。
この結果は、企業が人材を採用し、育成する際にテクノロジーが果たす役割が大きいことを示しており、特に採用は企業の成長において重要なポイントであるといえるでしょう。
生産性向上への期待
また、人的資本経営を推進するための組織上の課題として、「生産性の向上」を挙げた企業は全体の40%を超えました。これは、HRテックが効率的な業務運営を押し進める鍵であると、多くの企業が認識していることを物語っています。
さらに、現在はまだ活用が進んでいない選抜や配置の分野に関しても、今後の新技術導入の可能性があるとして期待が寄せられています。
現状と目標の差の縮小
人材情報の管理に関する質問においては、現状(As Is)と目標(To Be)のギャップを把握している企業が増加しています。「ともに把握・作成していない」と回答した企業は37%に達しましたが、これは前回調査と比較すると大幅に減少しています。これにより、企業がより現実を意識しつつ、人材ポートフォリオの作成に向けた努力を始めていることが明らかになりました。
中長期視点での人材配置や社員の保有スキルの可視化、さらに人材ポートフォリオの作成が重要な課題として挙げられ、企業がより戦略的に人材を運用しようとしている姿がうかがえます。
スキルと資質の可視化
調査では、人材のスキルや資質を可視化するためのツール導入についても尋ねられました。「リーダー、マネジャーとしての適性、資質、能力/スキルなどを測るアセスメント」が49%の企業で導入されており、これは前回調査よりも増加しています。特に、従業員数3,000人以上の企業においても、評価方法が客観データに基づいたものへと進化していることが確認されました。
この流れは、企業がさらに透明性の高い人材評価を求めていると同時に、社員の成長を支援することにもつながります。人材評価の技術が進化することで、結果として企業の競争力も向上することでしょう。
まとめ
人的資本経営調査2026の結果は、HRテックが企業の人事部門において重要な役割を担っていることを改めて示しています。企業の適応力が問われる今、先進技術をどのように取り入れていくかが肝要です。今後とも、テクノロジーと人材マネジメントがどう融合していくのか、注視していきたいところです。