KIIがNeusignal Therapeuticsに出資、認知症治療薬の開発を加速
最近、慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)が、東京のNeusignal Therapeutics株式会社に対して第三者割当増資を行いました。この出資により、Neusignal Therapeuticsは、アルツハイマー型認知症治療薬の開発に向けて新たな一歩を踏み出すことができることになりました。
資金調達の背景
Neusignal Therapeuticsは、今回の総額22.5億円の資金調達を実施しました。この金額は、KIIからの出資に加え、令和5年度「創薬ベンチャーエコシステム強化事業(AMED)」による補助金を含みます。これにより、同社は国内での臨床試験を開始する一方で、米国での臨床試験に向けた体制も強化しています。
アルツハイマー病の現状
アルツハイマー病は、脳の神経細胞が著しく損傷される進行性の疾患です。その結果、認知機能の低下や周辺症状が現れ、最終的には患者の日常生活すらも困難になるケースが多くみられます。近年、新たに登場した医薬品もありますが、治療方法の効果やコスト、介護等の観点からは依然として議論が続いています。
Neusignal Therapeuticsの革新性
Neusignal Therapeuticsが開発中の治療薬は、経口低分子薬であるため、比較的安価に提供できる可能性があります。これにより、患者が自宅で治療を受けやすくなるというメリットがあります。また、今後予定されているヒト臨床試験に向けた開発も進めており、患者や介護者の双方にとって利便性の高い製品が期待されます。
期待されるインパクト
この取り組みによって、Neusignal Therapeuticsは、治療満足度の向上や介護者の負担軽減、さらには医療費の適正化を実現することを目指しています。これにより、健康寿命の延伸だけでなく、介護者が社会参加しやすい環境を整えるための基盤も築かれることでしょう。
KIIについて
KIIは2015年に設立された株式会社で、主に慶應義塾大学の研究成果を活かしたスタートアップを支援しています。「その研究が、その発明が、そのイノベーションが、社会を変えるまで。」というミッションのもと、デジタルと医療分野のイノベーションを促進しています。また、2023年には大学発のインパクトファンドを設立し、健康で幸福な人生の実現に向けた新しい投資手法を導入しました。
会社概要
Neusignal Therapeutics株式会社
- - 所在地: 東京都中央区日本橋本町
- - 代表者: 吉田 欣史
- - 設立: 2022年4月1日
- - 事業内容: 認知症及び精神疾患治療薬の研究・開発
KIIの概要
- - 商号: 株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ
- - 事業内容: 大学発技術系ベンチャー企業の育成
- - 資本金等: 1億円
本リリースに含まれる情報は、発表時点のものです。今後の進展が期待されるこのプロジェクトに、今後も注目が集まります。