津軽塗の未来を紡ぐクラウドファンディング
伝統工芸品に新たな息吹を吹き込もうとする試みが、東京から発信されています。ソニー銀行が提供する投資型クラウドファンディング「Sony Bank GATE」において、9月12日から青森県の伝統工芸「津軽塗」を手がける株式会社たなか銘産による新規ファンドの募集を開始します。このプロジェクトは、300年以上の歴史を持つ津軽塗を現代に通じる形で広めるためのものです。
津軽塗の歴史と革新
1974年創業の株式会社たなか銘産は、青森県弘前市で成立した老舗企業です。彼らは津軽塗の伝統技法を重んじる一方で、時代のニーズに応じた新しい商品開発に積極的に取り組んでいます。これまでに箸や汁椀といった従来の漆器だけでなく、iPhoneケースやフォトフレームなど、日常生活に使えるアイテムを展開し、津軽塗の可能性を広げてきました。
特に、2020年には「さわって楽しむ」をテーマにした漆器「さわるツガルヌリ」を発売しました。これにより、若い世代に津軽塗の魅力を伝えたいという想いが形になりました。この商品は、手触りの良さを持ちながらもガラス製品と融合した新感覚の漆器として注目を集めています。
新しい技術を活用した商品
続いて、2023年には透過性のある漆素材「透漆(すきうるし)」を使用し、光を表現する斬新な「透ける津軽塗」が登場しました。この新技術によって、漆器の用途はさらに広がり、多くの業界から注目を集めています。
クラウドファンディングの目的
ソニー銀行は、社会的課題の解決を目的としている企業と、投資を通じて社会貢献をしたい人々をつなぐプラットフォームを提供しています。この取り組みを通じて、持続可能な社会の実現を目指しています。
「Sony Bank GATE」では、津軽塗を守り育てるための出資者を募集しており、一口10,000円の出資で目標金額は5,000,000円です。この資金は、たなか銘産のさらなる事業運営に使われる予定です。
投資を通じた文化・伝統支援
日本の伝統工芸品は、時代と共に変化し続けることが求められています。「時代に合わせて変化していくことこそ伝統だ」という精神を掲げるたなか銘産は、さらなる未来への挑戦を続けています。
このプロジェクトに携わることで、私たちも津軽塗の新しい物語を共に作り上げることができるのです。次世代へ繋がる伝統の灯を守るため、ぜひ参加を検討してみてはいかがでしょうか。