大阪松竹座の偉大な歴史を締めくくる片岡愛之助の軌跡
今年5月に閉館した大阪の「大阪松竹座」が、103年間にわたって愛されてきたことを、今改めて振り返りたいと思います。この芝居小屋は、大正時代にその幕を開け、数多くの役者たちに支えられてきました。道頓堀という名は、江戸時代からの芝居文化を象徴する場所であり、繁栄そのものでした。その中でも大阪松竹座は、時代の波に耐え、令和の時代までその灯を灯し続けました。
この度、テレビ大阪で放送されるドキュメンタリー番組「ドキュメンタリー7」では、大阪松竹座の最後の日々に密着しています。このエピソードでは、片岡愛之助さんをはじめとする役者たちの感情や、地域の人々との絆が描かれることになっています。
大阪松竹座の閉館が告げられたのは2025年夏のことでした。その知らせは、多くのファンや役者たちにとって衝撃的でした。15歳で上方歌舞伎の世界に入った片岡千壽さんも「お家がなくなる感覚が本当に寂しい」と語っています。彼女は、閉館前の数ヶ月間の公演を思い返しながら、研修生時代の思い出に浸る姿が印象的です。
そして、閉館前の2か月間にわたる「さよなら公演」では、人気役者たちが出演し、特に人間国宝の片岡仁左衛門さんや中村鴈治郎さん、中村獅童さんなどの姿は観客の心を引きつけました。この出演者の中には、仁左衛門さんが初舞台を踏んだ中座での思い出や、町の人々との絆も描かれます。劇場の変遷と共に、道頓堀がいかに重要な文化的拠点であったかを知ることができるのです。
さらに、閉館を惜しむ地域の人々の声も取り上げられます。創業80年を誇るうどん屋「今井」の店主は、道頓堀が賑やかだった頃の写真を見せながら、芝居文化を再び取り戻したいという熱意を伝えます。
特に注目したいのは、愛之助さんが主役の「義賢最期」での演技です。過去の大けがから復帰し、この公演での特別な役割に込められた思いは、彼にとっても特別です。千穐楽の日、彼らの演技は観客の胸を打ち、最後には「必ずもう一度、この道頓堀に松竹座のやぐらが上がると信じています」と雄々しく宣言しました。
「芝居町の灯は消しまへん」という言葉が込められたこの公演。日常の風景が失われる中でも、役者たちはその思いを次世代に引き継ごうと努めています。閉館から数週間後、彼らは新作の稽古を重ね、上方歌舞伎の灯火を絶やさないように努力しています。その姿勢は、今後の上方歌舞伎の未来を切り開いていくことでしょう。
「さよなら大阪松竹座」というドキュメンタリーは、2026年7月2日(木)深夜1時にテレビ大阪で放送される予定です。また、放送後はTVerなどでも視聴できるため、多くの方にこの貴重な瞬間に触れていただけることでしょう。大阪松竹座の素晴らしい歴史を振り返り、その思い出を共有する機会にしていただければ幸いです。