CO2回収モジュール検討
2025-04-15 10:37:40

三菱重工業、FPSO向けCO2回収モジュールの初期検討を開始

三菱重工業がFPSO向けCO2回収モジュールの初期検討を開始



三菱重工業が、期待される脱炭素化手段として注目されるFPSO向けのCO2回収モジュールについて、初期検討を行うことが決定しました。この計画は、ブラジルの大手石油企業であるペトロブラス社の浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO)を対象にしています。

パートナーシップによる新たな挑戦



今回のプロジェクトは、海洋インフラ分野で豊富な経験を有するSBMオフショアとの連携のもと進められています。三菱重工業は、SBMオフショアの関連会社でもあるシングル ブイ ムアリング社を通じて受注したもので、将来的なEPC(設計、調達、建設)受注を視野に入れたプロジェクトです。

このCO2回収モジュールの開発は、関西電力との共同によって生まれた「Advanced KM CDR Process(TM)」の技術を基にしており、SBMオフショアが推進する「Fast4Ward®」プログラムとの融合を図っています。これにより、ペトロブラス社が計画するFPSO上で搭載されるガスタービンからのCO2回収を考慮した検討が行われ、その結果が商用化に向けた重要な一歩として位置づけられています。

脱炭素化のニーズの高まり



近年、世界的な環境問題として脱炭素化が急速に拡大しています。この流れを受けて、三菱重工業はSBMオフショアと密に協働し、海洋CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)事業の開発を加速しています。その目的は、カーボンニュートラルの達成に向けた具体的な手段を提供することです。

三菱重工業は、2040年までにカーボンニュートラルを達成するための「MISSION NET ZERO」を掲げ、エネルギーの供給面だけでなく需要面においても戦略的な脱炭素アプローチを充実させています。特に、エネルギー供給側の脱炭素戦略には、多様なCO2排出源とその後の貯留・利活用をつなげるCCUS(Carbon Capture, Utilization and Storage)バリューチェーンの構築が不可欠とされています。このような取り組みを通じ、三菱重工業は温室効果ガスの排出削減に貢献し、環境保護にも寄与するソリューションを開発していく意向です。

CO2回収技術の実績



三菱重工業は、すでに1990年から関西電力と共にCO2回収技術に注力しており、その成果としてこれまで18基のプラントが実用化されています。特に「Advanced KM CDR Process(TM)」は、高いエネルギー効率と運用コストの低減を実現し、環境に優しい技術として評価されています。

下記は三菱重工グループのCO2回収技術に関する詳細な情報リンクです:
三菱重工グループ「CO2回収技術」製品情報

今回のFPSO向けCO2回収モジュールの初期検討は、デジタル技術を駆使し、未来のエネルギー環境に向けた重要なステップであり、三菱重工業がどのようにサステナブルなビジネスモデルを構築していくのか、今後の動向に注目が集まります。


画像1

画像2

画像3

関連リンク

サードペディア百科事典: 三菱重工業 CO2回収技術 FPSO

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。