JR-479の開発契約
2025-08-29 16:10:20

超希少疾患GM2ガングリオシドーシス治療薬JR-479の開発契約締結について

新しい治療薬「JR-479」の開発に向けた提携



メディパルホールディングス(以下、メディパル)とJCRファーマ(以下、JCR)が、事業活動において極めて重要な新たな提携を発表しました。両社は、超希少疾患であるGM2ガングリオシドーシス向けの治療候補薬JR-479に関する実施許諾契約及び共同開発契約を締結しました。このニュースは、患者やその家族にとって大きな希望となる可能性があります。

GM2ガングリオシドーシスとは


GM2ガングリオシドーシスは、ライソゾーム病と呼ばれる一種の遺伝性疾患で、主に神経細胞において特定の脂質が異常に蓄積することで、深刻な神経症状を引き起こします。日本国内では非常に低い罹患率(約30万人に1人)が報告されており、現在までに承認された治療法は存在しません。この病気に伴う症状は、進行性の神経変性を引き起こし、重症の場合は乳幼児期に亡くなるケースもあるため、早急な治療薬の開発が求められていました。

JR-479の特長と開発の経緯


JR-479は、JCRが開発した治療薬候補で、ムコ多糖症II型(通称:ハンター症候群)向けに既に承認された「イズカーゴ®点滴静注用10mg」に基づく技術を活用しています。この「J-Brain Cargo®」技術は、血液脳関門を通過することで、中枢神経系に直接作用することが特徴です。非臨床試験では、JR-479が静脈内投与により全身に届けられ、GM2ガングリオシドの蓄積を減少させる効果が示されています。

契約の内容と今後の展望


今回の契約によって、メディパルはJR-479の日本以外の地域での臨床開発、製造、販売に関する権利を持つことになります。また、メディパルは日本国内において、治験薬の配送や疾患啓発活動を通じて、治験を進めることになります。両社は、この契約によって得られる一定の収益を通じて、今後のデベロップメントに対する充実した資金調達を目指すことになるでしょう。

超希少疾病医薬品開発の戦略


この提携は、2022年から始まった超希少疾病用医薬品開発プロジェクトの一環であり、すでにJR-471(フコシドーシス対象)、JR-446(ムコ多糖症IIIB型対象)に続く新たな治療薬の追加となります。このプロジェクトに対する両社の強いコミットメントは、患者にとって希望の光となるでしょう。

まとめ


メディパルホールディングスとJCRファーマによるJR-479の開発契約は、GM2ガングリオシドーシスという超希少疾患に対する新たな治療法の扉を開く可能性があります。今後の進展から目が離せません。両社の連携がこの疾患に苦しむ患者や家族に希望を与えるものであることを期待します。


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