パルシステム、100%リサイクル保冷箱を本格導入
東京都新宿区に本部を置くパルシステム連合会は、環境への配慮から100%リサイクル原料を使用した保冷箱(シッパー)を本格的に導入することを決定しました。2025年度には、原料のポリスチレン換算で年間最大150tの削減を実現する見込みです。この取り組みは、現在使用している全量300tに向けてのシフトアップを目指すもので、持続可能な社会を実現するための重要なステップといえます。
リサイクル原料の特徴と強度
導入されるリサイクル原料は、破損や経年劣化によって回収された発泡スチロールを再生したものです。これにより、石油由来のバージン原料とは異なる強度の特性を持っています。パルシステムでは、2023年から強度や品質保持に関する試験を実施し、最適な仕様を模索してきました。新たに導入される保冷箱は、本体とふたの2部構成で運用されており、すでにふたの部分は約20%の切り替えが行われています。今後は本体の切り替えも進めていき、最終的には約50%の切り替えを目指す予定です。
デザインのリニューアル
リサイクル原料を使用した保冷箱は、デザインもリニューアルされます。パルシステムのキャラクター「こんせんくん」をあしらった新しい図柄を採用し、リサイクルに対する意識を高める工夫が施されています。また、リサイクル原料を使用していることを明記することで、消費者にも原料についての理解を深めてもらう狙いがあります。
プラスチック使用削減の取り組み
パルシステムは、今回の保冷箱の導入だけでなく、これまでにも様々な取り組みを通じてプラスチックの使用削減に努めてきました。例えば、常温品の配達には折りたたみコンテナを2022年から導入し、この際には底や枠にリサイクル材を使用。これにより年間約16tのプラスチック使用量が削減されています、また2023年からは商品をまとめる袋にも一部で再生原料を配合したものを使用し、環境への配慮を強化しています。
循環型配達システム
さらに、パルシステムでは配達箱の再利用やまとめ袋の回収とリサイクルといった、循環型の配達システムも充実させています。これにより、環境負荷を軽減しながらも、持続可能なビジネスモデルを築いています。
今後もパルシステムは、プラスチック使用の削減や再生可能エネルギーの導入など、持続可能な社会の実現に向けたさまざまな施策を推進していく方針です。
2025年は国際協同組合年
2025年は国際協同組合年でもあり、パルシステムの取り組みはその意義をさらに強調することとなります。組織としての責任を果たしながら、社会貢献を果たしていく姿勢は、多くの消費者から支持されることでしょう。これからのパルシステムの動向に注目です。