未来の工場を支える搬送ロボットT300
近年、様々な業界で進む自動化の波。その中でも注目を集めているのが、大阪の工場で導入された搬送ロボット『PUDU T300』です。このロボットは、最大300kgの荷物を効率良く運搬することができ、工場や倉庫の業務を一新します。従来のAGV(自動搬送車)とは異なり、定められたルートに縛られることなく、障害物を避けて自律的に移動できることが大きな特徴です。
人手不足への対応
近年、人手不足が深刻な問題となっている中、特に製造業は影響を受けています。太洋工作所の森小路工場では、加工場から検査場への搬送が課題として浮上しました。レイアウト変更により垂直の動線が水平に変わり、エレベーターを使った搬送が難しくなったことで、再び人手を必要とする事態となってしまいました。この状況を打開するために、PUDU T300の導入が決まったのです。
24時間稼働の実力
PUDU T300は、24時間稼働が可能で、搬送業務を無人で行うことで、人の手が3人分の作業を軽減できます。これにより、現場の人材コストを大幅に削減し、業務の効率化を図ることが期待されています。生産効率の向上だけでなく、従業員の負担を軽減し、より創造的な仕事に専念できる環境作りが可能となるのです。
業務効率化の具体例
PUDU T300が現場で実際に動き始めた際、早くも移動の頻度が高いことがわかりました。1時間に約3回の搬送が発生することから、24時間で合計72回にも及ぶことになります。これを従業員が担っている場合、日々約0.75人分の労働時間がこの単純作業に割かれてしまいます。しかし、ロボットによる搬送に置き換えることで、その労働時間をより生産的な業務へと転換できるのが最大の利点です。
安全性と利便性
重さが30kgを超える物品を何度も運搬する作業が、自律走行のロボットによって行われる意味は大きいです。手作業では疲労と安全リスクが伴いますが、安定した稼働を続けるロボットによって、生産性が向上し、職場環境の改善にも寄与します。
先進的な機能
PUDU T300は、カメラを用いて周囲の環境を認識しながら、自身の位置を確認するVSLAM技術を搭載しており、効率よくマッピングを行います。この技術により、移動経路の設定が迅速に行えるため、大きな時間短縮が実現します。また、リフト機能を用いて荷物の高さを調整しつつ、およそ60cmの幅の通路でも十分に通行可能です。
現場のニーズに応える
実際の職場環境で機能することを重視しているPUDU T300は、効率の良い搬送ルートの提案や現場でのデモ実施が可能です。ロボットに関する疑問や確認もWEB会議で対応していますので、利用を検討している企業はぜひご相談を。
会社の背景
PUDU T300を開発した正興サービス&エンジニアリングは、1921年に設立された正興電機製作所のグループ企業として、様々な製品やソリューションサービスを提供しています。100年以上の歴史を持つこの企業は、今後も技術革新を推進し続けることでしょう。
工場や倉庫の自動化が進む中で、PUDU T300の活躍は、より効率的で安全な作業環境づくりに不可欠な存在となることでしょう。