オイシックス・ラ・大地が沖縄の新星EF Polymer社へ投資、農業の水不足解決へ期待が高まる

オイシックス・ラ・大地による新たな投資

近年、食に関するビジネスの展開が目まぐるしい中、食品のサブスクリプションサービスを展開するオイシックス・ラ・大地株式会社が、フードイノベーションに特化したCVCファンド「Future Food Fund」を通じて、沖縄のスタートアップEF Polymer社に投資を行いました。この投資は2050年に向けてのサステナブルな食の未来を見据えた重要な一歩です。

未来の食と水資源問題

水資源の不足は、世界的な課題として今後深刻化していくと考えられています。農業用水の需要はかつてないほど高まり、これまでの水使用量が急増しているのが現状です。日本ではまだ水資源の不足は顕在化していないものの、数値的には過去の50年でその使用量が約2.9倍に増えているというデータもあり、これは農業にとっては切実な問題です。

EF Polymer社とは

EF Polymer社は、沖縄県国頭郡恩納村に本社を構え、高吸水性ポリマーの製造と販売を行う企業です。このポリマーは自重の数十倍もの水を吸収する能力を持ち、土壌の保水力を高めることで農作物の収穫量アップと水・肥料使用量の削減に寄与します。このような製品は、特に降雨量が少ない地域や干ばつに悩む地域の農業において、持続可能な解決策として注目されています。

自然由来の技術

EF Polymer社は、バナナやオレンジの皮といった農業廃棄物をアップサイクルし、100%オーガニックなポリマーを提供しています。一般的な化学由来の製品と異なり、このポリマーは約1年で完全に生分解されるため、環境への影響も最小限に抑えられています。

創業者の背景

創業者のナラヤン・ラル・ガルジャール氏はインドの乾燥した村で育ち、幼少期から農業の厳しさを見つめてきました。「何とか水不足を解決したい」という強い思いから来日し、沖縄科学技術大学院大学での研究を経てこの事業を始めました。彼のパッションと経験は、EF Polymerの成長を加速させる原動力となっています。

投資の期待

Future Food Fundの長谷川浩之氏は、EF Polymer社の技術が「環境と経済を両立させる農業」の実現に貢献することを強調し、今回の投資が農業の生産性向上に寄与することを期待しています。また、EF Polymer社のビジョンに賛同し、今後は国内外の事業展開を積極的にサポートしていく方針を示しています。

未来への展望

EF Polymerが展開するポリマーは、すでに日本を含む数カ国で販売され、今後も多くの国での実証実験が期待されています。水不足や干ばつといった問題に直面する農家の声を救うために、EF Polymer社の取組みは今後も注目されるでしょう。持続可能な農業の実現に向けて、EF Polymer社とFuture Food Fundのさらなる成長が期待されます。

これからの農業が果たす重要な役割を踏まえ、Futue Food Fundは、引き続き革新を求めるスタートアップ企業に対して積極的な投資を行っていく予定です。農業の未来をいかに持続可能にしていくのか、その鍵を握る企業となるでしょう。