歯間清掃具の使用年数と歯の健康への影響
最近、サンスターグループが自治医科大学と連携し行った研究が、歯間清掃具の使用年数と歯の喪失リスクの関連性を明らかにしました。この研究は、サンスター従業員845人のデータを基に、5年にわたる歯科健康診断の結果を分析したものです。研究の目的は、継続的な歯間清掃具の使用が歯の健康にどのように影響するかを解明することでした。
研究の背景と目的
歯を失うことは、生活の質の低下や全身疾患のリスクを引き起こす可能性があります。これまで、日常的な歯磨きや歯間清掃具の使用が重要であることは多くの研究で示されてきましたが、長期的な使用の効果については意識されてきませんでした。この研究では、特に歯周病の有無による影響を考察し、対象者を健康な群と歯周炎を患う群に分けて分析を行いました。
研究方法と対象者
研究対象者は、2012年から2017年にかけてのデータを持つサンスターの従業員845人で、平均年齢は47.8歳です。これらの従業員を、歯周ポケットのない健康な群と、歯周炎のある群に分類しました。その後、歯間清掃具の使用年数と歯の喪失の有無について調査を行いました。調査項目には、使用する歯間清掃具の種類や使用年数、個々の健康状態が含まれています。
研究結果
研究の結果、健常群においてデンタルフロスを4~5年使用した者は、0~1年使用者に比べて、歯の喪失リスクが倍減することが明らかになりました。また、歯周炎群では、歯間ブラシを長期間使うことで、歯の喪失リスクが有意に低下しました。具体的には、デンタルフロス使用者のオッズ比は0.42、歯間ブラシ使用者は0.38という低い値を示しました。これらの結果は、長期間の歯間清掃具の利用が歯の喪失リスクを低下させることを強く示しています。
重要性と結論
この研究の結果は、ただ単に歯間清掃具を使うだけでなく、その利用を継続することが重要であることを示唆しています。特に、歯周病の進行状況に応じて適切な清掃具を選ぶことも非常に重要です。今後は、より多くのデータを使い、個々の口内状況に適した最適な清掃習慣を確立するための研究が進められることでしょう。
研究への期待
今回の調査結果は、歯科医療の進展に寄与することが期待されます。口腔の健康を高めるためには、生涯にわたって日常的なケアを続けることが不可欠です。この研究を通じて、日々の口腔ケアの重要性が再認識され、歯の健康が一人ひとりの生活の質を向上させる一助となれば幸いです。サンスターは、これからもお口の健康に寄与する製品やサービスを提供し続けていくことを目指しています。