日本における外国人IT人材の需要増加と新しい雇用のトレンド
2025年6月、グローバル求人プラットフォーム「bossjob」を運営するYolo Technology株式会社が、新たに公開した登録データから、日本における外国人IT人材へのニーズが急増していることが明らかになりました。このデータは新規登録企業や求職者の職種および業種の傾向を示しており、特にIT関連の職種における外国人材の活躍が顕著です。
登録企業の約半数がIT業界
bossjobに新たに登録された企業のうち、なんと49.2%が「情報通信(IT)」業界であるという結果が出ました。このような高い割合からもわかるように、IT分野でのデジタル人材獲得競争が熾烈化しています。企業は、国内の人材不足を補うために、グローバルな人材を積極的に採用する姿勢を強めています。
そのほかにも、登録された企業の中には「人材サービス」や「コンサルティング」といった専門職系業種も多く見受けられ、これらの領域でも外国人採用のニーズが高まっていることがうかがえます。
求人の殆どがITエンジニア職
実際の求人内容を分析すると、新規登録された求人の63.0%がITエンジニア職を占めており、特にAIやWeb3、デジタルトランスフォーメーション推進に特化した外国人エンジニアの募集が伸びていることがわかります。加えて、飲食接客業務や人事、営業管理職といったサービス業でも外国人材を求める動きがあり、雇用機会が広がっている点も注目されます。
求職者の希望職種トップは観光業
求職者側の動向を見ても、最も人気の高い職種は「観光業」であり、その割合は17.1%に達しています。これは、訪日観光需要の回復による影響で、語学力を活かせる観光業に対する関心が高まっていることを示しています。次いで「IT」(12.2%)や「サービス業」(10.4%)の求人が続き、外国人求職者の多様なニーズが伺えます。
一方で、製造業や建設業、整備といった技術系職種に関しては、希望者が比較的少ないことも見逃せません。これは、今後のマッチング支援や、職業訓練の強化が求められる要因となっています。
bossjob Country Manager 植村氏の見解
Yolo TechnologyのJapan Country Managerである植村謙一郎氏は、「日本企業における外国人材採用は、かつては大企業の取り組みのみに留まっていましたが、現在ではあらゆる業種がこの流れに参与しています。特にIT領域は国境を越えたスキルマッチングが必要不可欠です。bossjobは、AIを駆使したスカウト機能と500万人を超えるグローバルな人材データベースを用いて、採用の新たな可能性を開いています」と述べています。
このように、日本の企業環境の変化は求職者にとっても新たな機会を生み出しており、外国人IT人材に対するニーズの高まりは今後も続くことでしょう。競争が激しい中で、企業はどのように人材を確保していくのか、また求職者は自身のスキルを最大限に生かす場をどのように見つけ出していくのか、その動向に注目です。