CO₂で進化する紙文化
2025-06-27 12:03:08

CO₂資源化技術で実現した快適な書き心地の紙「カーボライト」

新時代の紙製品「カーボライト」とは



株式会社ペーパルが2025年6月に発表した次世代の紙素材「カーボライト」は、世界初のCO₂資源化技術を応用した革新的製品です。この紙は、排ガス由来のCO₂を原料として固定化した炭酸カルシウムを使用しており、「にじまず」「裏抜けせず」「なめらか」という理想的な筆記性能を実現しています。

「カーボライト」の主要な特徴



1. CO₂を資源として活用


この新しい紙は、排ガスから回収したCO₂をカルシウムを含む産業副産物と結びつけて固定化した炭酸カルシウムを用いています。この材料は一般的な炭酸カルシウムとは異なり、従来の製法による環境負荷を大幅に軽減できる点が特徴です。特に、旧来の材料を全て置き換えることで、製紙のスタート地点からCO₂排出を削減することができました。

2. 専門家の知見を融合した書き心地


ペーパルは、ノートの専門メーカー大栗紙工と文具ソムリエの石津大氏とともに、理想的な書き心地の追求を行ってきました。具体的には、インクの裏抜けを防ぐ不透明度、高い摩擦係数によるさらさらした手触り、そして微細構造によってにじみを防止する設計がされた紙製品が完成しました。

3. 環境への具体的な影響


「カーボライト」を用いた場合、紙製造量1トンにつき約97kgのCO₂排出が削減され、さらに約33kgのCO₂固定化が実現します。この数字は、710冊のB5サイズノートに相当します。さらには、製造プロセスにおける高温焼成工程も不要で、これが環境への貢献をさらに強化しています。

大阪・関西万博での初展示


この新素材は、2025年7月に開催される大阪・関西万博で初めて一般に展示される予定です。万博ではペーパルのブースにて、カーボライトを使用したノート製品の先行販売が行われるほか、技術や開発ストーリーについての解説も行われます。

統合的な社会貢献を目指して


ペーパルは、脱炭素社会の実現とともに、手書き文化の復興も目指しています。デジタル化が進む中で、アナログな手書きの良さが再評価されています。カーボライトは、そんな「書くこと」の楽しさを最大化すると同時に、環境への貢献も果たす素材です。

会社概要


株式会社ペーパルは、1890年の創業以来、135年間にわたり紙文化の発展に寄与してきました。最近では、SDGsへの取り組みや意識的な素材開発にも力を入れており、環境に優しい製品作りを進めています。

これからもカーボライトのような革新的な製品を通じて、持続可能な未来に貢献していく所存です。


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