AIで進化する建築業界の未来
近年、建設業界はデジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性が増し、特に東京大学発の燈(あかり)株式会社とTSUCHIYA株式会社の協業による「構造設計支援ツール」が注目されています。この新しいシステムは、建築計画における構造計算の入力プロセスをAIで自動化し、設計者の業務の効率化を実現します。
開発背景
日本の建設業界では深刻な人手不足が続いており、特に安全性が求められる構造計算業務において、膨大な情報を手動で入力する作業が多くの時間と労力を消費しています。そこで、燈は自身の高度な図面解析技術と、TSUCHIYAが持つ建築業界の豊富な経験を融合させることにより、この課題に取り組みました。
新システム「構造設計支援ツール」の機能
このシステムは、ユーザーがアップロードしたプロジェクトの図面データから、AIが必要な情報を自動的に抽出し、構造計算ソフト「SS7」で利用可能な形式に変換します。これにより、設計者は手動で膨大な情報を入力する手間が省け、建設プロジェクトの進行をスムーズに行える仕組みが構築されます。
主な特徴
1.
地域情報の自動入力
ユーザーがプロジェクトの住所を入力するだけで、その地域の気候条件(積雪量・風速)をAIが自動で解析し、必要な情報をシステムに反映します。この機能により、地域特有の条件を考慮した設計が簡単に行えます。
2.
高精度な情報抽出
AIは図面データの解析を行い、ユーザーが必要な情報を設定するだけで、階高やスパン長、部材の配置など重要なデータを自動で取得します。これにより、設計者の負担が大きく軽減されます。
3.
SS7への連携
抽出した情報は、構造計算ソフト「SS7」に適した形式(エクセル形式)で出力されるため、手入力によるミスを減少させ、効率的にデータ連携を行うことが可能となります。
導入効果
この新システムを導入することにより、従来の手動プロセスと比較して業務時間を約50%短縮できるとされています。データが「SS7」へ反映された後も、3Dでの確認やBIMソフト(HELIOS、Archicad等)へのスムーズな展開が可能となり、設計プロセス全体の生産性の向上に貢献します。
燈株式会社の取り組み
燈株式会社は、「日本を照らす燈となる」というビジョンのもと、AIを駆使しさまざまな産業における生産性向上を目指しています。特に建設業界では、匠の技の継承といった重要なテーマに取り組み、AI技術を利用したソリューションを提案しています。
会社概要
- - 会社名:燈株式会社(Akari Inc.)
- - 所在地:東京都千代田区神田駿河台4-6御茶ノ水ソラシティ21階
- - 代表者:代表取締役社長 兼 CEO 野呂侑希
- - 設立:2021年2月
- - ホームページ:燈株式会社公式サイト
このように、燈株式会社とTSUCHIYAが共同で開発した「構造設計支援ツール」は、建設業界のDXを一層加速させる重要な技術であり、今後の普及が大いに期待されています。