山梨県民の健康寿命を支えるための口腔保健への取り組み
2023年、山梨県、一般社団法人山梨県歯科医師会、サンスター株式会社の三者が口腔保健をテーマにした連携協定を結びました。この協定に基づき、様々な世代やライフステージに対応した健康づくりの取り組みが進められています。特に注目すべきは、口腔の健康と全身の健康の関係性にスポットを当てた公開講座で、2025年10月26日には甲府市にて「口から食べる重要性~あなたの歯は何本ありますか~」というテーマで講演が行われました。
講演の内容
このイベントには約150名が参加し、高齢者の健康寿命を延ばすためには食事と口の機能を守ることが不可欠であるという認識を深めました。第一部では、東京都健康長寿医療センターの本川佳子氏が「フレイル予防を基軸とした栄養と口腔の関係」について講演しました。本川氏は、フレイル(虚弱)を予防するためには、運動や栄養、口腔の健康を一体で考える必要があると述べました。特に、たんぱく質の摂取やバランスの良い食事が重要であり、そのためには多様な食品を意識的に摂ることがポイントとされています。
さらに、口腔機能、特に咀嚼能力が食事の質に大きく影響することから、オーラルフレイルに早く気づき、対策をとることが大切であると強調されました。
寸劇で学ぶ口腔ケア
第二部では、山梨県歯科医師会の歯科衛生士、丸山幸江氏らによる寸劇が披露されました。この寸劇では、家族の日常生活の中で口腔ケアをおろそかにした結果、どのように口腔の健康が損なわれ、食べる力が衰えてしまうのかが描かれました。これにより、受講者たちは日常的なオーラルケアの重要性を再確認しました。また、歯科受診やお口の体操といった具体的なケアの方法も紹介され、健康的な食事を楽しむための知識を深めました。
参加者の声
参加者からは「運動、栄養、口腔が一体でフレイル予防に結びつくと知り、有意義でした」との感想が寄せられました。寸劇の楽しさも相まって、楽しく学べたという声が多く、参加者たちは口腔ケアやバランスの良い食事が健康維持に貢献することを理解しました。
今後の取り組み
山梨県、山梨県歯科医師会、サンスターの3者は、今後も健康寿命延伸に向けた取り組みとオーラルケアの普及啓発活動を続けていく予定です。なお、当日の講演内容は、山梨県歯科医師会のウェブサイトから無料で視聴可能です。
口腔健康づくりの条例
山梨県では、平成26年に「山梨県口腔の健康づくりの推進に関する条例」が施行されています。これに基づき、令和6年からは第2次山梨県口腔の健康づくり推進計画がスタートし、県民が心身ともに健康で豊かな生活を送るための取り組みが進められています。これからも、口腔から始まる健康づくりに力を入れていくことが求められています。
お問い合わせ先
より詳しい情報が必要な方は、山梨県福祉保健部健康増進課や山梨県歯科医師会までお問い合わせください。これらの取り組みを通じて、山梨県民が健康で豊かな生活を送り続けることが期待されています。