積水化学が令和7年度知財功労賞を受賞
積水化学工業株式会社が、令和7年度知財功労賞で特許庁長官表彰を受けました。この賞は、知的財産権制度の発展に寄与した企業や個人を表彰するもので、特に今回の受賞は「知財活用企業(特許)」としての評価がなされています。
知財功労賞とは
知財功労賞は、毎年4月18日の「発明の日」に合わせて行われ、経済産業省と特許庁によって主催されています。この賞は、知的財産権の普及や発展に貢献した企業や個人に与えられ、知的財産権制度を効果的に活用している企業もその対象となります。積水化学は、長期ビジョン「Vision 2030」に則り、より良い社会を実現するための取り組みを進めており、今回の受賞がその一助となることを期待しています。
受賞のポイント
今回の受賞の要因は、以下の3つのポイントに集約されます。
1.
新市場の開拓:積水化学は幅広い事業領域で築いた技術を活用し、新たな市場や領域への進出を図っています。その中でも、ペロブスカイト太陽電池の研究開発が注目され、2025年度中の上市を目指しています。この技術の特長は、屋根や壁面に容易に設置可能なフィルム型のデザインで、業界内での優位性を持ちます。
2.
知財戦略の整備:積水化学では、開発戦略と事業戦略、知財戦略を一体として見直す「ゲートレビュー」を実施しています。このレビューでは、特許マップを用いて事業部門と連携し、出願の位置付けや権利を活用する方針を整理しています。この結果、競争に勝ち抜くための特許取得とその活用方法を戦略的に設計することが可能となっています。特に、ペロブスカイト太陽電池に関しては、特許権化と協業のバランスを取りつつ、高い市場シェアを狙っています。
3.
知財担当の育成:積水化学では、事業収益に貢献できる知財担当者の育成にも力を入れています。知的財産だけでなく、マーケティングや会計など他の分野の知識を身に付けることを奨励し、全体的な能力向上を図っています。
知財活動の重要性
積水化学の知財活動は、単なる特許取得にとどまらない重要な経営資源として位置付けられています。創造、保護、活用を通じて企業価値を最大化することを目的とした「知的財産規則」を策定し、知的財産を強力な競争力へと結びつけています。市場や競合情報の分析を実施しつつ、国内外の特許出願を効果的に展開し、ポートフォリオのマネジメントを通じて知的財産の活用を深化させています。
おわりに
積水化学の知財活動は、同社の成長に向けた指針として重要な役割を果たしています。特許庁長官表彰を受けたことは、今後の事業戦略と知的財産戦略のさらなる連携と発展につながるでしょう。この取り組みが、社会全体に良い影響をもたらし、持続可能な未来を実現するための一歩となることを期待しています。