ひふみ株式会社とJPX総研の革新的な協業
2023年12月、ひふみ株式会社はJPX総研が開発した「J-LENS」というAI開示情報検索サービスにおける生成AI技術の提供を発表しました。このサービスは、東京証券取引所上場企業の膨大な開示情報を迅速かつ的確に検索できるものであり、金融・証券・会計領域に特化した独自技術が強みです。
J-LENSの目的と特徴
「J-LENS」は、従来のキーワード検索だけでは捉えきれない、多様な表現や専門用語に対応する能力を持っています。特に、開示情報特有の数値やあいまいな表現を処理し、必要な情報を効率的に抽出することが可能です。これにより、投資家や市場関係者の情報アクセスが革命的に向上すると期待されています。
ひふみの技術支援内容
ひふみが提供した支援は主に3つに分かれます。
1.
生成AIによる高度なチューニング
チューニングには、特に金融・証券分野の専門用語に応じた精度向上が含まれています。この取り組みによって、ユーザーはより正確な情報を得られるようになりました。
2.
金融ドメインに基づく技術アドバイザリー
代表の畠田は、豊富な金融・証券に関する知識を基に開示資料の文書構造を正確に理解し、情報抽出を行いました。これにより効率的なプロジェクト運営が可能になりました。
3.
現場に即した実装支援
JPX総研の開発環境に柔軟に対応し、エンジニアが即座に活用できる形式での納品を実現。これにより、短期間での開発完了が可能となりました。
協業を通じた新たな価値の創造
このプロジェクトの背景には、JPX総研とひふみの双方がWeWorkという共通の場所にオフィスを構えていたことがあります。この根底にあるコミュニティの力が、技術支援を迅速に進め、効果的な協業を可能にしました。
イベントでのパネルディスカッションでは、協業の舞台裏にも触れられました。JPX総研の山藤氏が述べたように、「この協業は、出会いと信頼の構築から生まれた」とのことです。実際、J-LENSの開発が急速に進んだのは、この柔軟な働き方の文化があったからです。
今後の展望
ひふみは、今回の協業を皮切りに、さらなるデータ分析プロジェクトへの生成AI導入を検討しています。また、日本企業や経済の成長に寄与することを目指し、情報開示の質を向上させるための取り組みを進めていく考えです。 具体的には、有価証券報告書のAIレビューサービスや適時開示コンサルティングなど、様々な支援策が計画されています。
終わりに
ひふみは、金融・証券・会計分野におけるAI活用のパイオニアとして、事業の自動化・効率化を通じて日本企業の競争力を高め続けることでしょう。これからの動向から目が離せません。