AI時代における人事の役割と求められる人材像の変化
法人向けの調査を実施した株式会社コーナーが発表した結果から、AI時代における人事業務の評価基準が大きく変わる兆しが見えてきました。近年のテクノロジーの急速な進展に伴い、企業が求める人材像も未曾有の変革を迎えています。
調査概要と背景
株式会社コーナーは、約300名の人事担当者を対象に「AI時代における人事・組織の実態調査」を実施しました。調査では、生成AIの個人レベルでの活用は進んでいるものの、組織全体への組み込みは未だに進行中という実態が浮かび上がりました。その中で人事が今後「評価すべき人材像」として重要視したいスキルが明らかになりました。
変化する評価基準
調査において、人事が重視する能力が「業務スピード」関連から「問いを立てる力」や「仮説構築力」へとシフトしていることがわかりました。AIの活用が進む中で、ただ単にAI操作が可能な人材ではなく、AIのアウトプットを使いこなし、業務やプロセスを効果的に設計・推進できる能力が求められつつあります。この傾向は、企業ごとの具体的なニーズに応じた柔軟さが必要という認識から来ていると考えられます。
具体的には、「AIの出力を判断し、業務を前に進められる人材」「データを基にしつつも柔軟な判断ができる人材」といった要望が寄せられています。また、業界ごとに求められる人材像は異なるものの、共通して見られるのは、AIを単なる道具とせず、戦略的なパートナーとして活用できる人々を指名しています。
人事の役割の広がり
AI技術が進化することで、人事が関わるべき領域も次第に拡大しています。以前の採用や育成を主なテーマとしていた人事部門が、今後は評価やタレントマネジメントといった戦略的な役割にもシフトしていくことが求められています。この背景には、組織全体の効率化や効果的な人材活用のために、単なる運用から設計へと意識を変える必要があるという認識があるからです。
調査結果では、特に「評価」や「タレントマネジメント」が重視されるようになっていることが示唆されていますが、やはり中途採用や組織開発といった運用の領域からの関心は依然として高く、人事の役割は運用と設計の双方を行き来するものになるでしょう。
2026年に向けて
代表取締役の門馬貴裕氏は、「2026年は人事が組織変革をリードする重要なターニングポイントになる」との見解を示しています。彼の言葉を借りれば、これからの人事は単にAIを導入するだけでなく、その活用に関する判断基準を自ら策定し、組織の質を向上させる役割が期待されます。この視点は、企業全体の成長と生産性向上に直結する重要なテーマです。
結局のところ、AI時代に求められるのは、技術を単に使うことに留まらず、それを前提に新しい価値を創造できる能力と、それを具現化するための人事部門の取り組みです。組織が直面する課題に立ち向かいながら、フレキシブルな人材の育成が急務となるでしょう。これらの変化が、企業の業績向上や未来の人事戦略に繋がることを期待しています。