福岡市での最先端下水道検査技術の実証
福岡市において、株式会社Liberawareと福岡市、株式会社環境開発の連携のもと、新しい下水道点検技術「No Entry」の実証実験が行われました。この技術は、作業員が下水道管路に立ち入ることなく、高精度な点検を実施することを目指しています。
背景にある課題
2025年に発生した埼玉県八潮市での道路陥没事故を受け、全国で下水道の特別調査が行われました。その結果、全国で748kmにおよぶ管路に対策が必要との報告があり、特に小口径の管路においても点検・維持管理の需要が増加しています。このような背景から、安全確保と点検効率の向上が業界の急務となっています。
下水道の点検手法は、これまで作業員が立ち入ることが前提とされてきましたが、「No Entry」の方針が求められる中、革新的な点検技術の導入が期待されています。この検証は、新技術の実用性を確認することを目的に、実際の雨水管を使用して実施されました。
実証実験の内容と評価
今回の実証実験では、ドローンに搭載された距離測定機能と損傷計測技術を用いて、以下の二点について評価が行われました。
1.
距離測定技術の精度検証
非GPS環境下での実測値との比較による測距精度の確認。
2.
損傷検知および計測機能の有効性検証
ドローンの映像を基に損傷箇所(クラックなど)の抽出と、非接触での寸法計測精度の評価を行いました。
検証の結果、ドローンは管路の終点まで問題なく到達し、詳細な状況把握に成功しました。損傷計測では、実際の損傷の大きさに対する誤差が約5%に抑えられ、最小2mm幅の損傷も捉えることができました。また、点検時間の短縮にも貢献し、高い有効性が確認されました。
距離測定技術についても実務活用の観点から一定の効果が確認され、「No Entry」の実現に向けた重要なステップとなりました。
今後の展望
今後は、全国特別重点調査の対象よりさらに小さな口径の管路を含む条件での検証が続けられる予定です。作業員が立ち入る必要のない効率的な運用モデルの構築を目指し、「No Entry」型点検への移行が促進されるでしょう。これにより、持続可能かつ安全な下水道維持管理が実現し、国土強靭化に貢献することが期待されます。
企業の紹介
株式会社環境開発は1964年に設立され、福岡市を拠点に公共インフラの維持管理を行う企業です。長年の経験と技術開発を通じて、安全で持続可能な都市環境づくりに貢献しています。一方、株式会社Liberawareは世界最小級のドローン技術を駆使し、「誰もが安全な社会を作る」ことをミッションに掲げています。
この新しい技術が地域のインフラ保全に寄与し、福岡市の住民により快適な生活を提供することを期待したいです。