2026年版全国従業員エンゲージメント調査結果
株式会社アジャイルHRと株式会社インテージが共同で実施した「A&Iエンゲージメント標準調査」の全国調査が2026年に行われ、その結果が発表されました。この調査は、日本における従業員のエンゲージメントの実態を明らかにすることを目的としており、過去3年のデータと比較しながら、現状の分析を行っています。
調査の目的
本調査の主たる目的は、世界的に低いとされる日本国内の従業員エンゲージメントの要因を分析することと、過去4年間におけるその変化を検証することです。調査結果は、以下のように様々な側面から従業員エンゲージメントを分析しています。
低い従業員エンゲージメントの要因
調査の結果、日本における従業員エンゲージメントは、平均スコア2.58と低水準に留まっています。これは、会社に対する愛着心や思い入れの低さを反映しており、特に組織コミットメントは平均スコアが2.49と中間値を下回っています。
1. 会社に対する思い入れの低さ
従業員エンゲージメントは、ワークエンゲージメントと組織コミットメントの2つの要素から成り立っています。ワークエンゲージメントは2.67で中間を超えている一方、組織コミットメントが低いことが全体のエンゲージメントの低下を招いています。この調査では、特に30代から50代の組織コミットメントが著しく低く、これがエンゲージメント全体の低下に影響を及ぼしています。
2. 仕事からの活力不足
エンゲージメントの構成要素である活力、熱意、没頭のいずれもが、従業員が仕事から得られる充実感に直接関与していますが、その中でも特に活力が不足しています。活力は、仕事へのエネルギーレベルや心理的な回復力を表すもので、今回の調査では2.54という低い値が記録されています。
3. 職場運営の問題
また、従業員エンゲージメントに影響を与える要素として「職場の運営」や「マネジメント」が挙げられます。調査結果は、職場環境や関係性が従業員のエネルギー供給に対して重要な役割を担っていると示されています。特に、職場レベルのスコアが2.60と低く、上層部と現場の体感温度のギャップが問題視されています。
4. フィードバックと学習機会の不足
従業員の成長を促進するために必要なフィードバックや学習機会が不足していることも、エンゲージメントの低下に寄与しています。特に公正な人事評価やキャリア形成のチャンスが不十分であるため、職場でのモチベーションが上がりません。
世代別の差異
調査によると、特に30代から50代にかけての組織コミットメントの顕著な低下が見られます。逆に60歳代以上はワークエンゲージメントが最も高いという対照的な結果が示されています。30代の従業員が構造的な孤立に陥っている可能性も指摘されています。
雇用形態や職種別のエンゲージメント
役職別に見ると、上層部と一般社員のエンゲージメントには依然として大きな隔たりが見受けられ、非正規雇用の従業員、特に派遣社員の組織コミットメントが低い傾向にあります。これは、職場において個人の努力が評価されにくいことに起因していると考えられます。
業種ごとのエンゲージメントの差異
業種別に見ても、業種によるエンゲージメントの差が表れています。特に「学術研究、専門・技術サービス業」が最も高い一方で、「製造業」は最下位を記録しました。これは、業界特性が従業員エンゲージメントに及ぼす影響を示唆しています。
結論
本調査の結果は、日本企業における従業員エンゲージメントの現状について警鐘を鳴らすものであり、特に30代の孤立感やインフラ産業の活力低下が注視されるべき問題です。企業は従業員のエンゲージメントを向上させるために、職場環境やマネジメントについての改革を進める必要があります。今後の調査や施策に注目が集まります。