2026年7月18日、岡山大学で開催された公開シンポジウム、「AI時代をどう生き、未来をどう創るか」では、AIとWell-beingをテーマに、地域や地球の未来を見据えた議論が繰り広げられました。このシンポジウムは、岡山大学の研究・イノベーション共創機構が主催し、地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)の一環として行われました。
シンポジウムの目的
本シンポジウムは、生成AIを含むデジタル技術がもたらす社会、産業、教育、働き方の変化に焦点を当てています。その中で、「Well-being」を人間社会が目指す価値として考察し、AI時代の持続可能な未来に向かうためにどう実現するかを探求する場となりました。
講演者の見解
シンポジウムのオープニングでは、慶應義塾大学の宮田裕章教授が「文明の転換点」として、デジタル技術の進化がもたらす社会の新しい価値観について説き、従来の経済合理性から脱却し、多様な価値が響き合う社会の必要性を強調しました。特に、AIが提示する答えに対して、「問いを立てる力」が重要であり、自然や未来世代との関係の質を高めることの意義が示されました。
次に岡山大学の笹埜健斗特定教授が登壇し、生成AIが大学教育にもたらす変革について講演を行いました。彼は、大学の価値が「情報の伝達」から「判断の育成」に移行している現状を指摘し、真のウェルビーイングとは学びが未来とつながる実感であると述べました。
パネルディスカッションでの議論
シンポジウムの後半では、パネルディスカッションが行われました。モデレーターを務めた岡山大学の狩野光伸副理事が進行し、宮田教授や笹埜教授、さらにPwCコンサルティング合同会社の安井正樹CEO、株式会社フジワラテクノアートの藤原加奈副社長とともに、AI時代における人材育成や地域社会の役割について多角的な意見交換が行われました。
参加者からは、AI時代において子どもたちが社会で生き抜く力を育むためにはどんな教育が必要かという問いも挙げられ、教育現場や産学官の連携の重要性について活発な議論が展開されました。これらのディスカッションは、AIを技術革新で終わらせず、人々の生活の質を向上させるために活用していく方向性を示しています。
今後の展望
シンポジウムを通じて得られた多くの「問い」と「共鳴」は、地域の企業や教育機関、行政とのネットワークをさらに強化する材料となり、AI時代のWell-beingを実現するための具体的な活動に繋がっていくでしょう。岡山大学は、J-PEAKSで掲げる「Planetary Health」、
「Community Health」、そして「Human Health」の理念を実現に向け、引き続き地域と地球の未来を共創していく姿勢を示しています。
このシンポジウムを通じて、岡山大学が地域中核・特色ある研究大学としての役割を果たし、持続可能な社会を目指す活動に注力していくことへの期待が高まります。