介護現場の新たな挑戦:TANO+を活用した実証実験の結果
東京都港区のHITOWAケアサービスが、TANOTECH社と連携して、介護現場での生活支援を進めるための実証実験を行いました。この実験は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の採択を受けており、TANO+という新しいモーショントレーニングツールの効果を検証するものです。
TANO+とは?
TANO+は、TANOTECH社が開発した、介護における自立支援と介護者の負担軽減を目的とした革新的なツールです。このシステムは、ゲーミフィケーションの要素を取り入れ、利用者が楽しみながら運動に取り組むことを助けます。具体的な活動として、「TANO+」によるレクリエーション運動が行われ、ADL(Activities of Daily Living)機能の向上やフレイルの予防が目指されました。
実証実験の概要
実証実験は2023年11月26日から12月22日までの間に、横浜市にある有料老人ホーム「イリーゼ横浜旭」を利用する65歳以上の高齢者22名を対象に行われました。
実施方法
実験では、週に1〜3回、30分間「TANO+」を使ったレクリエーション運動を行いました。運動前後での評価も行い、その効果を測定しました。
結果と成果
実験の結果、特に「運動機能」と「口腔機能」において顕著な改善が確認されました。具体的には、
5回立ち上がりテストでは、参加者の運動能力が大幅に向上し、平均時間が22.9秒から13.6秒に短縮されました。また、
タの発声回数も参加前の13.1回から20.4回に増加し、口腔機能の向上も見られました。
TANO+の可能性
この実証実験から、TANO+が介護現場においてADL機能向上やフレイル予防に寄与する可能性が示されました。また、TANOTECH社は、今後も利用者が楽しめるような環境作りや介護者のサポートに重視し、新しいコミュニケーションの場を創造することを計画しています。
実証実験の参加者は、ゲーム感覚で行えるトレーニングに参加することで、負担を感じにくく、ストレスの少ない動機づけを得ることができました。これにより、今後の介護現場における健康維持や運動習慣の定着が期待されています。
今後の展望
HITOWAケアサービスは、実証実験を通じて得られた知見を活かし、さらに使いやすく効果的な「TANO」の進化に寄与する所存です。また、TANOTECH社は新たなユーザー参加型のシステムの開発を進め、地域のコミュニティとして健康増進の輪を広げていくことを目指しています。
この取り組みは、単に高齢者の生活向上を図るだけでなく、地域全体の健康維持にも貢献する可能性を秘めています。これからの進展にぜひ注目していきたいところです。