岐阜県関市でのたたら製鉄イベントレポート
2025年12月7日、岐阜県・関市のせきてらすで「たたら製鉄」の公開操業が行われました。このイベントは、貝印株式会社が主催するもので、地域の刃物文化の継承を目的としています。
たたら製鉄とは?
「たたら製鉄」は、日本の古来の製鉄技術です。砂鉄と木炭を主な原料として用い、特別な粘土製の炉で高温の燃焼を行い、鉄の一種である「玉鋼」を作り出します。この技法は、日本刀や高品質な刃物に仕上げる際に欠かせないものとされています。
この日、関市の刀匠や刃物業者とともに結成された「関鍛冶たたら実行委員会」が、たたら操業の一連の工程を一般公開しました。来場者は、砂鉄の投入から始まり、炉内のノロ(不純物)の排出、羽口の清掃、最後に玉鋼を含む鉧(ケラ)を取り出す一連の流れを間近で体験できました。
小学生が製鉄体験
イベントでは、地元の小学生22名が参加し、実際に砂鉄と木炭を炉に投入する体験を行いました。参加した子供たちは、各自に組み立て式のTOGI CAR®ボックスティッシュケースやTOGI CAR®のステッカー、さらには貴重な玉鋼というお土産を持ち帰りました。子供たちからは、「炭を入れる作業は楽しかった」「不純物が取り出されるのを見るのが面白かった」など、楽しんだ様子が伺えました。
保護者からも「昔の人々がこのように時間をかけて鉄を作っていたことを初めて見ることができ、感慨深かった」という感想が多く寄せられ、イベントが地域の文化における重要性を再認識させる場となったことが伺えました。
「野鍛冶承継プロジェクト」
貝印は、関市の伝統的な刃物文化を守るために「野鍛冶承継プロジェクト」を進めており、たたら製鉄イベントもその一環です。失われつつある伝統技術を次世代に伝える重要な役割を担っています。
開催概要
このイベントは、以下のように行われました。
- - イベント名:関鍛冶たたら製鉄 公開たたら操業
- - 日時:2025年12月7日(日) 10:00~17:00
- - 会場:せきてらす「共生広場みんなのはらっぱ」(岐阜県関市平和通4丁目12番地1)
- - 主催:関鍛冶たたら実行委員会(関伝日本刀鍛錬技術保存会、関刃物文化継承会など、貝印株式会社も含む)
- - 内容:たたら製鉄の一般公開、小学生による砂鉄と木炭の投入体験
結論
「たたら製鉄」の公開操業は、地域文化を学ぶ貴重な機会であり、次世代に伝えるための重要な活動の一環と言えるでしょう。貝印の取り組みを通じて、地域の誇りである刃物文化への理解がさらに深まることに期待が寄せられています。