青森県三沢市の精神科病院M&Aに見る家族の想いと支え

医療法人聖心会のM&Aと家族の想い

青森県三沢市で地域医療を支えてきた「三沢聖心会病院」が、2025年に医療法人社団正心会とのM&Aを果たしました。このプロセスを支えたのは、病院の理事長である矢幅啓孝氏の奥様、矢幅乃理子さんです。彼女は、病院の元常務理事として、経営の舵を取ってきた立場にあり、今回のM&Aに至るまでの想いを伺いました。

地域への貢献

医療法人聖心会は、設立以来地域医療に尽力してきました。矢幅氏夫婦は、患者一人ひとりに寄り添う姿勢を大切にし、信頼される医療の提供を心がけてきたのです。しかし、少子高齢化の影響を受け、後継者不在や経営難といった現実が徐々に近づいてきました。そんな中で、乃理子さんはどのような決断をしたのでしょうか。

M&Aの決断

経営難に直面すると、どの経営者も再考を余儀なくされます。乃理子さんは「このままでは大切な病院が閉じてしまう」と強く感じ、M&Aを選択しました。

「患者に良い医療を提供し続けるためには、どんな選択をすべきかを真剣に考えました。私たちの病院が成り立つためには、専門の知識とリソースが必要でした。」

彼女は、M&Aは単なる経営の手段ではなく、地域医療を続けるための一つの道であると確信しました。この思いが、医療法人社団正心会とのパートナーシップを結ぶ原動力となったのです。

家族の支え

夫である啓孝氏にとっても、このM&Aは大きな意味を持つものでした。活力を取り戻し、患者に対するサービスをより良くするための手段でもありました。乃理子さんのサポートがあったからこそ、啓孝氏も安心して新たなスタートを切れたと言います。

「私たちは、病院とはただの施設ではなく、心の拠り所であるという考えを持っています。両者が手をとりあって、地域医療を守ることが何より大切です。」

このように、家族の絆がM&Aの成功に大きく寄与していることがわかります。

今後の展望

三沢聖心会病院は、今回のM&Aを通じて新たなスタートを切りますが、その目指す方向性は変わりません。地域の方々に寄り添う姿勢は引き続き大切にしながら、より多くの方に質の高い医療を提供していくことが目標です。

最後に乃理子さんは「病院はこの地域の宝です。未来を守るために、私たちはこれからも努力を続けていきます。」と力強く語りました。地域医療を守るために踏み出した一歩が、どれほど大切なものであるかが伝わります。

今後もこの病院に注目し、地域医療の活動が略奪されることのないよう見守りたいと思います。