食品ロス削減に挑む「かんしょくプロジェクト」の全貌と未来
一般社団法人最愛の食卓が、いよいよ日本初となる「かんしょくプロジェクト」を始動しました。このプロジェクトは企業から発生する余剰の調理済み食品を再分配し、必要とする人にも届けることで、食品ロスの削減を目指すものです。特に、社員食堂やホテルのビュッフェなどから、まだ食べられるのに捨てられてしまう食事に着目し、その再活用を図ります。この取り組みは、2025年2月18日から東京都内の都営住宅で本格的に実施される予定です。
食品ロスと食品アクセス問題の現状
近年、日本では年間約472万トンもの食品ロスが発生しています。これを一人当たりに換算すると、年間47キロにも及び、毎日おにぎり一個分の食品が無駄にされている計算です。その中でも企業や店舗から生じるロスが特に多く、236万トンもの事業系食品ロスが報告されています。
さらに、食品ロス問題が深刻化する一方で、日本の相対的貧困率はG7国の中でも高く、15.4%という統計が出ています。このような中、経済的な理由で十分な食料が得られない人々のための食料再分配が急務となっています。欧米では進んでいるこの仕組みが、日本でも少しずつ制度面で見直されつつある中、「かんしょくプロジェクト」は企業の食品ロスを削減しながら、食事を必要とする人々への支援という二つの課題を同時に解決しようとしています。
プロジェクトの実施内容
「かんしょくプロジェクト」では、以下の手順で食事を供給していきます。「日々の企業活動から余剰となる食事」を回収し、安全に供給場所まで運びます。そこでNGOやNPOなどと連携し、集まった食事を必要とする人々に届けます。ボランティアスタッフの協力を得て、これらの活動が円滑に行われる予定です。
プロジェクトを通じて、一般社団法人最愛の食卓は、食品ロスの削減だけでなく、食事へのアクセスの確保、さらには食品寄付の促進を目指しています。この取り組みは消費者庁が推進する「食の環(わ)」に賛同、政府の支援も期待されていることから、一層の拡大が見込まれています。
参加者の募集
プロジェクトへの参加を希望する方々を広く募集しています。
1.
食事を提供できる企業: 余剰でまだ美味しい食事を提供できる企業を歓迎しています。
2.
食事提供場所の提供: 集会所や教会、営業時間外のレストランやカフェなどで食事を必要とする場所を提供してくださる方を募集しています。
3.
食事提供を希望する団体: 食事を必要とする方々においしく食事を提供したい団体との連携を求めています。
4.
ボランティア参加者: 食事の輸送や配膳に協力してくださるボランティアを募集中です。
興味のある方は、プロジェクト公式サイトからお問い合わせください。
未来を見据えた取り組み
「かんしょくプロジェクト」は、各方面からの協力を仰ぎながら、持続可能な社会の実現に向けて積極的に活動を広げていきます。食品ロスを削減しつつ、食料にアクセスできない人々への手を差し伸べるこの取り組みが全国に広がることを期待しています。これにより、民間企業が社会課題の解決に貢献でき、新たな需要やイノベーションを生み出すことが可能になると信じています。
特に、公益社団法人経済同友会の代表幹事である新浪剛史氏は、「共助資本主義」を提唱しており、企業とコミュニティの連携がいかに重要であるかを強調しています。プロジェクトの実施が、さまざまな社会課題の解決への一歩となることを願っています。
このようにして「かんしょくプロジェクト」は、持続可能で互助的な社会の実現を目指します。ぜひ、皆さまのご理解とご協力が必要です。