池田杏莉個展「それぞれのかたりて」深く響く喪失の記憶を体感

池田杏莉個展「それぞれのかたりて / なきあのことへ」

2025年12月6日から2026年1月4日まで、東京・浅草のGALLERY ROOM・Aにてアーティストの池田杏莉による新作個展が開催されます。この個展では、「喪失の記憶」をテーマにしたインスタレーションが展示され、彼女が継続的に制作している輪島市の作品群が注目されます。

池田はこれまで、人々の使い古された物やその痕跡を通じて、失われた時間と存在について思索し、作品に落とし込んできました。彼女の作品は、単なるビジュアルアートだけではなく、観覧者との対話を生む体験として設計されています。

展覧会の内容

本展の作品は、解体される住居や集会場から集めた日常品と、被災者へのインタビューによって掘り起こした「喪失の記憶」を素材にしたものです。このインスタレーションは、震災によって傷ついた人々の物語を静かに語り、訪れる人々に深い共鳴を呼び起こします。

展覧会のタイトル「なきあのことへ」は、失われた存在への思いや悲しみが込められており、池田はこのテーマを通じて、個々の記憶が交差する場を創出しています。この作品群では、喪失感とそれに伴うつながりの在り方を問いかけ、観覧者に深い内省を促します。