休職から復職への道のりとポジティブな変化
近年、メンタルヘルスの問題によって休職を余儀なくされるビジネスパーソンが増えています。その中で、株式会社Rodinaが実施した調査によると、復職を果たした103名のビジネスパーソンのうち58.3%が「ポジティブな変化があった」と感じていることが明らかになりました。この結果は、メンタルヘルスに関する理解やサポートの重要性を示しています。
ポジティブ変化の背景
調査に参加した方々からは、復職後に感じたポジティブな変化として、主に「自分のペースで仕事ができた」(45.6%)や「まだできることがあると実感した」(35.0%)などの声が寄せられました。これは、復職を通じて自己肯定感が回復し、再び仕事に対して前向きな気持ちを持つことができた証です。
特に「自分のペースで働けた」と答えた人々からは、過去のプレッシャーから解放された感覚や、心身の健康を大切にすることができたという報告が多く、これらは復職の成功に欠かせない要素と言えます。
支えとなったもの
復職後の支えとして最も多く挙げられたのは、「医療機関やカウンセラーなどの専門家のサポート」(42.7%)でした。また、家族や友人からの支えが39.8%、職場の理解が30.1%という結果も得られています。これらから、専門的なケアと人とのつながりが人生の後押しになることがうかがえます。
また、調査を通じて「職場の支援体制」に関する意見も多く寄せられました。特に「業務量の調整」(41.7%)や「勤務時間の柔軟対応」(38.8%)が支えになったと感じる人が多く、これらの支援が復職後の安定に寄与していることが明らかになりました。
復職後の不安とその解消
調査では、復職前の不安は約半数が解消された一方で、約3割が依然として不安を抱えていることも示されています。この結果は、復職後も継続的にメンタルケアが必要であることを示唆しています。
例えば、「ほとんど解消された」との回答が24.3%、一部は残っているが概ね解決されたという声が47.6%存在する一方で、「不安は続いている」と答えた人が26.2%にのぼることからも、職場支援の質や持続性の向上が求められる時期にきていると言えるでしょう。
心理的安全性の重要性
復職支援の中で特に重要視されるのは「心理的安全性のある環境」です。ただし、この満足度にはばらつきがあり、さらなる改善が求められています。評価が高かった業務量の調整や勤務時間の柔軟性に比べ、心理的な安全性に関する判断は、支援を受けた人々によって異なる結果を示しています。
例えば、復職を通じて温かい歓迎を受けた方や、職場の理解と連携によって自己肯定感が高まったエピソードが多く寄せられていますが、改善が求められる声も多く聞かれました。
まとめ
株式会社Rodinaの調査によれば、メンタルヘルス不調から復職後にポジティブな心境の変化を実感した人は多く、その背景には専門的な寄り添いと人とのつながりが大きな支えとなっていることがわかりました。また、職場における心理的安全性や業務環境の改善が求められる今、私たちはより良い復職支援体制を目指していく必要があります。最後に、この調査を監修した山下明子医師の専門的な視点が復職支援の改善に活かされることを期待しています。