企業のSNS情報漏洩リスク：実態調査から見る現状と対策

SNSが日常生活に深く浸透している現代、企業にとって情報漏洩リスクの管理は無視できない課題となっています。最近、株式会社PRIZMAが行った調査によると、企業のITセキュリティ担当者の半数以上がSNSを介した情報漏洩の経験があると答えています。この調査結果をもとに、企業が抱えるリスクとそれに対する対策の実情を探ります。

SNS運用に潜む情報漏洩リスクとは？

調査によれば、企業がSNS運用の中で最も危惧しているのは『従業員のアカウント管理が不十分』という点で、31.8%がこのリスクを最も高いと認識しています。続いて外部攻撃者によるフィッシングやハッキング（29.6%）、SNSプラットフォームそのもののセキュリティ脆弱性（28.0%）が挙げられました。これは、企業が従業員アカウントの保護と共に、外部からの攻撃やプラットフォームの安全性に強く警戒していることを示しています。

実際の情報漏洩事例について

さらに調査で「社員がSNSを通じて情報漏洩を引き起こした事例がある」と回答した企業は52.2%に上ります。その具体的なケースとしては、投稿した画像に機密情報が含まれていた（35.0%）、機密情報を誤って投稿した（29.7%）、機密情報が入ったデバイスを紛失した（31.2%）という事例が多く見られました。このことから、従業員の意識向上と厳重な管理体制の必要性が浮き彫りになっています。

複数回の情報漏洩経験

企業がSNSを通じて確認できている情報漏洩の件数を尋ねたところ、最も多かったのは『1～3件』で56.3%、続いて『4～5件』が34.2%、『6件以上』が9.5%でした。このデータから、多くの企業が情報漏洩のリスクを抱えていることが窺えます。経済的損失やブランドイメージの低下を招くため、早急な対策が求められています。

リスク認識と対策の現状

過去1年のSNSを通じた情報漏洩リスクについて「一部把握している」と回答した企業は46.0%、`ほとんど把握していない`が22.0%、`完全に把握している`はわずか19.4%にとどまりました。これにより、多くの企業がリスクを理解しているものの、具体的な把握に至っていない状態が確認されました。

リスク軽減策として、多くの企業が最も重視しているのは『社員教育』で、36.9%が支持しています。続いて『SNSに関するポリシー策定』が31.4%、『SNS管理ツールの導入』が30.2%という結果が出ました。つまり、従業員への定期的な教育やルール化が効果的な手段と認識されているのです。

セキュリティ対策強化の意向

調査の後半では、約7割の企業が今後1年間でSNSに関するセキュリティ対策を強化する考えを示しました。具体的には、ポリシーの見直し・更新（39.6%）、社員向けのSNSセキュリティ教育の強化（39.3%）、個人アカウント利用に関する規制強化（39.3%）が挙げられました。

結論：より安全なSNS運用へ

調査結果からは、企業がSNS運用における情報漏洩リスクの認識を高め、具体的な対策を実施しようとしている姿勢が明確に見えました。従業員教育やポリシーの見直しを通じて、リスク管理の強化を目指す企業の取り組みが進んでいることが伺えます。これらの施策を通して、企業はより安全にSNSを活用する道を探る必要があるでしょう。詳細な調査結果は、以下のリンクからダウンロードできます。

調査結果をダウンロードする

SNSを利用する企業が今後、より安全な運用を確立するための一助となることを期待しています。