新刊『パンデミックの記憶…隠れたヒーローたち』
新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックが私たちの生活に大きな影響を与えてから5年が経過しました。この未曾有の危機の中で、私たちの目に触れないところで必死に医療を守った人々がいたことを、著者である平出敦さんの新刊『パンデミックの記憶…隠れたヒーローたち』は教えてくれます。
この本は、パンデミックという異常事態の中で、医療従事者たちがどのように自らの役割を果たし、困難な状況に立ち向かっていったかを多角的にまとめています。特に、コロナ専用病棟で大きくクローズアップされた医療者ではなく、医師会や保健所、救急隊など、様々な立場でパンデミックに直面し闘った人々の姿が中心に描かれています。
著者:平出敦さんの経歴
平出敦さんは、現在NPO法人「われらはふるさと医療応援団」の理事長を務めており、明治国際医療大学の特任教授でもあります。1981年に大阪大学医学部を卒業後、特殊救急部でのキャリアを重ね、京都大学での医学教育推進センター長としても活躍してきました。また、文部科学省が主導する災害医療における人材養成プログラムにも関与し、地域医療の向上に力を注いできました。
新型コロナウイルスの影響で、多くの人々が感染予防のために色々な活動をする中、平出さんは特に医療過疎地域の介護者などを対象にした感染防護の研修やワクチン接種支援のボランティア活動を行い、多岐にわたる支援を展開してきました。こうした著者の背景を知ることで、本書が持つ意義がより深く感じられることでしょう。
医療の最前線で見たこと
本書では、パンデミックという非常事態がもたらした影響を、医療に関わるアクターたちの視点から描写しています。市井で医療に従事する人々の思いや葛藤、また彼らが直面した現実は決して華やかなものではなく、様々な苦悩がありました。しかし、その中でも彼らは決して諦めず、地域を守るために日々奮闘していたのです。
著者は、「今だからこそ記録する意義がある」と語ります。新型感染症に備えるために、過去の経験を正しく反映した資料こそが、次なる未来への礎となるのです。
読者への訴え
本書は単なる医療の記録ではなく、感動的でありながらも教訓に満ちたドキュメントです。私たちが今後、新たな感染症問題に直面した際、どのように行動すべきかを考えるための手助けとなるでしょう。また、地域社会の中で支え合うことの重要性も改めて認識させてくれる一冊となっています。
新刊『パンデミックの記憶…隠れたヒーローたち』は、2024年11月20日に発売され、定価は1,500円(税抜)です。興味を持たれた方は、ぜひ書店やAmazonで手に取ってみてください。私たちがこのパンデミックから何を学び、どう未来に活かすかを考えるための素晴らしい資料となることでしょう。