調査概要
2025年7月から8月にかけて、J.D.パワーは日本全国の企業を対象にサーバー機(メインフレームやオフコンを含む)の保守サービスに関する顧客満足度調査を実施しました。この調査は毎年行われており、今回は18回目の実施ということです。調査対象は従業員数50名以上の企業で、2330社以上から2379件の回答が得られました。
 顧客満足度の向上
本年の調査結果によると、全体の顧客満足度は1000点満点中623点となり、前年よりも4ポイントの上昇を記録しました。特に「平時の対応」というファクターでは前年比8ポイントの改善を見せ、調査対象の企業7社中6社が評価を上げました。この向上は、保守や運用サービスの提案力やフォローアップに関連する点が評価された結果と考えられます。顧客に対する様々な提案やサポート活動が功を奏しているようです。
 セキュリティ強化が重要な課題
調査で浮かび上がった「システム運用や保守において今後取り組むべき課題」として最も多く挙げられたのは「システムセキュリティの強化」で、42%の企業がこの点を重要視しています。特に従業員数が1000人を超える大企業では半数がこの意見を持っており、昨今のサイバー攻撃や情報漏洩のリスクを背景に、セキュリティ対策が急務であることが明らかです。
次点では「保守費用の削減」と「システム管理者の育成・教育」が34%で続き、「使用機器の老朽化対応」が33%、「システム管理者の運用負担軽減」が32%という結果でした。これらの課題に対して、保守サービス会社はより一層の技術提供やサポートを求められています。
 顧客満足度のランキング
2025年の顧客満足度ランキングは以下の通りです。
1位:リコージャパン(658点) - 11年連続での第1位。
2位:PFU(645点)
3位:大塚商会(632点)  
リコージャパンは特に「平時の対応」と「サービスメニュー」で最高評価を受けました。
 まとめ
これまでの調査から見えるのは、保守サービスの顧客満足度は向上しつつあるものの、セキュリティ面での課題に対処する必要が高まっているという点です。顧客企業が抱える様々なニーズに応えるために、保守サービスの提供側は柔軟に対応策を講じていくことが求められています。将来的には、より一層顧客のIT環境全体を支える存在としての役割が期待されるでしょう。将来のセキュリティ強化やコスト削減に向けての取り組みが、今後の保守サービスの鍵となります。