サイパン交流強化に向けた新たな取り組み
2025年、サイパンは戦後80年を迎え、この節目に「マリアナ諸島リバイバルプロジェクト」が立ち上げられ、日本との交流を再活性化することを目指しています。このプロジェクトの初発表は、特別な日であるサイパンの日、3月18日に行われました。マリアナ政府観光局(MVA)は、サイパンを中心としたマリアナ諸島の観光資源や魅力を幅広く発信していく計画です。
新たなリーダーの熱意
プロジェクトの発表会は、ジャマイカ・タイヘロン新マーケティング・ディレクターの挨拶から始まりました。彼は就任後初めて日本の公の場に登場し、今後の観光インフラの強化について熱く語りました。「日本からの訪問者に合わせた新しい体験を提供することで、すべてのお客様に深くリラックスし、喜びを感じていただける観光地を目指します」と彼は力強く発信しました。また、「共に強い未来を築けることを楽しみにしています」と意気込みを示しました。
具体的な戦略
続いて、株式会社電通の石田悠が登壇し、プロジェクトの具体的な内容を紹介しました。日本国内の企業や団体との連携を深め、旅行トレンドに応じたプロモーション戦略を展開することで、交流強化を図ります。この取り組みには、「to B」「to G」「to C」の3つのアプローチが含まれ、マリアナ諸島の豊かな魅力を多角的に発信していく予定です。
「toB」:パートナーシップの構築
「to B」戦略として、「マリアナ諸島リバイバルプロジェクトパートナー」の募集を開始することが発表されました。これにより、現地視察やビジネスネットワーキングを行い、企業との連携を促進していきます。石田は、「パートナー企業と共に取り組むことで、マリアナ諸島をより身近な旅行先にしていきたい」と語りました。また、ファッションブランドのBEAMSとも連携を開始することを発表し、さらなる活動の幅を広げる意向を示しました。
「toG」:平和促進への取り組み
「to G」戦略の一環として、広島県との連携にも言及されました。戦後の歴史的背景を持つサイパンを観光地として再生させるため、平和促進にも力を入れていくとのこと。「今年1月には広島県議団がマリアナを訪問し、連携を深めました」との報告もあり、両国の絆をさらに強化する方向性が窺えます。
「toC」:新たな旅行トレンドへのアプローチ
「to C」戦略では、マリアナ諸島が人気のダイビングスポットとして確立するための取り組みが紹介されました。特に、「マリンダイビング大賞」での受賞が好影響を与え、20代・30代の女性に人気のスキンダイビングが注目されています。日本の旅行トレンドの変化を捉え、SNS映えする魅力的な体験を提供することが強調されました。
マリアナ諸島の旅の魅力
マリアナ諸島は、サイパンをはじめロタ島やテニアン島の各島々が持つ独自の魅力を有しています。サイパンでは大自然の中でリラックスできる時間を過ごすことができ、ロタ島では美しい海と豊かな自然が広がります。テニアン島は歴史的な遺産が豊富で、日本との深い結びつきを感じさせます。
さらに、日本からのアクセスも良好で、成田から直行便で約3時間で到着できるため、短期間の旅行にも最適な場所です。この便利さは、家族旅行や女子旅、教育旅行など、さまざまなニーズに応える要素として注目されています。
今後の展望
萩野隆二日本事務局長は、今後の観光促進に向けた方針を述べ、マリアナ諸島の新たな観光リバイバルプランを明かしました。観光促進のためには新たな地域資源の再発見が重要であり、単なる観光体験ではなく、地域文化や歴史、自然に焦点をあてた参加型の観光資源を育てていく意向を示しました。これにより、より深い交流を創造することが目指されています。
まとめ
サイパンを中心としたマリアナ諸島は、いよいよ新たな道を歩み始めることになります。多様なアプローチで観光を活性化し、日本とのつながりをさらに深める姿勢が見受けられます。これからのマリアナ諸島に期待が高まります。