新たな避難所マネジメントシステムで災害対策が進化する東京・江別市の取り組み

江別市における新たな避難所マネジメントシステム

2025年7月12日、北海道江別市にある大麻体育館で、避難所管理システムを用いた初の避難訓練が実施されました。この取り組みは、株式会社バカンが提供するサービスによって、災害時における迅速な避難が可能になることを目的としています。

自然災害への備え

近年、自然災害が増加する中、避難時における混雑の解消と安全な避難の確保は急務です。バカンは、リアルタイムの混雑情報や避難所のマップを提供しており、すでに200以上の自治体で実績を持っています。これにより、住民が安全に避難できる環境が整いつつあります。

新たに導入された「避難所マネジメントシステム」では、例えば「自家用車の使用有無」「健康状態の申告」「緊急連絡先」といった詳細情報を、Webフォームやアプリ、職員による手入力で収集することができるようになりました。この柔軟な情報管理により、各地域の特性に応じた運用が実現できるのです。

避難訓練の実施内容

避難訓練では、江別市の自主防災組織に所属する住民たちが参加し、マイナンバーカードとアプリを駆使した新たな受付方法を体験しました。最大震度6強の地震発生を想定し、以下の手順で訓練が行われました。

1. QRコードの読み取り：参加者が事前にアプリ内で個人情報を登録し、その後、QRコードを読み取ることで入所手続きを行いました。
2. Webフォームでの入力：QRコードを読み取ることで、希望する情報をWebフォームから入力しました。
3. マイナンバーカードの利用：参加者がマイナンバーカードをカードリーダーにかざすことにより、情報がシステムに自動で取り込まれました。
4. 紙媒体への記入：もともと行われていた従来の手続きでは、避難者がカードに記入をし、その後、職員が内容をシステムに転記していました。

デジタル化の効果

今回の訓練の結果、デジタルを活用した手続きが従来の方法よりもスムーズであったと、多くのポジティブな回答が得られました。具体的には、アプリでのQR読み取りが83%、Webフォームでの入力が82%、マイナンバーカードリーダーでの読み取りは83%の満足度を記録しました。このことで、職員の業務負担が軽減され、迅速な対応が可能になる姿が確認されました。実際のデータによれば、他の実証実験でも所要時間を最大97%削減できています。